荷造りする女優
女は別れを悟った時、荷造りを開始する。
断捨離しながら自分に次の指令をだす。
今度はもっと居心地のいい場所に移動する。
もう決めたよ。あと腐れなくどんどん捨てて
しまえばいい。
出会いと別れは交互にやってきて
小さい波から大きい波までざぶんと
かぶって溺れそうになりながら必死に
もがいてきたら心身に奥行が生まれていた。
数々の険しい道を歩んだ紋章が眉間に
彫刻され経験値がレベルアップしている。
ゴールなんて分からない迷路。
1人は孤独でさみしい。
2人は心強さ後煩わしさに化学反応してしまう。
人を本気で愛した事があるのか
人を本気で信じた事があるのか
自問自答するが無回答に終わる。
別れのタイミング到来。
本当は心臓が破れるのではないかと
思わんばかりに脈を打ちまくっているが
仕方がないと思わすような切り出し方の匠は
かなりの演技派女優になりきっている。
すみれの花のような友達
岩を砕く波のような父
愛を語るハイネのような恋人
根雪をとかす大地のような母
1人4役 それ以上に飛躍して最強演者がまた1人
誕生していた。