その後
ルノガー将軍に少しだけ話しがあると聞いていたので、
ロミ、ミト、ライカと聖女ルーンと話をして待つ。
「カノンたちはこれからどこに行くのさ。」
「そうだな。ライカと気ままに帝都の冒険に出るよ。まずはオアシスでゆっくりしようと思う。」
「そうかい。僕は帝都でやらなければいけない事が多くなりそうさ。魔法都市に戻ったら連絡するね。」
「もちろんだロミ。色々とありがとう助かったよ。」
「お礼は言わないでくれよ。またすぐ会えるさ。」
ロミと目があう。
「カノン、キミは本当に成長したよ。これからの活躍が楽しみさ。元気でやってくれよ。僕もまたカノンと冒険できることを楽しみに頑張るから。」
ロミが笑顔で皆と握手をして忙しそうに出ていった。ロミとの冒険はここで終わりか。
ロミがいなければ教皇まで届かなかった。
いつも頭脳と魔法でオレたちを支えてくれた。感謝しかない。
別れは少しさみしいが、またすぐ会える。
「あの、カノンさん。」 聖女ルーンがオレに話しかけた。
「どうした。ルーン。」
「私も連れて行ってください。教会の箱庭で育っていたの。私も冒険してみたいわ。」
「いいのか。ガリレア教の聖女として任命されたと聞いたが。王様から許可はでているのか。」
「もちろんです。カノンさんなら大丈夫だと。各地を周ってガリレア教を布教してほしいと言われました。」
「そうか。ライカはどう思う。」
「私は仲間が増えるのは賛成! 」
ミトも頷く。
「よし。わかった。ルーン、共に旅に出よう。」
「ありがとうございます。」
ルーンが深々を頭を下げた。
「よしてくれよ。オレたちは仲間だ。」
「そうですね…わかりました! よろしくお願いします。」
聖女ルーンとはほとんど話したこともないがこれもなにかの縁だ。
冒険する中で色々と面白いことがあればいいな。
「私はオアシスでお別れかしら。さすがにいつまでもサンドタウンを空けることはできないわ。」
「そうか。そうだよな。ミトの弓がなければ危ないことも多くあった。」
「カノンやライカが冒険に飽きたらサンドタウンに住みなよ。良い奴らばかりよ。」
「まずはサンドタウンでゆっくりさせてもらうよ。」
パーティが5人から3人に減るんだ。寂しいが、新たな出会いもあるだろう。
謁見の間が開いてお偉方がぞろぞろと出てきた。
ルノガー将軍が出てくるのは最後だろうな。
「おい、カノン! 」
この嫌味な声は兄ロトの声が。
「お前勝手に将軍への任命を断ってんじゃねえよ。ったく、リシャール家の恥晒しの駄犬が。」
なんと言われようがオレはリシャール家を追放された身だ。
「オレの勝手だろ。ロトが活躍して将軍にでもなればいい。なれるものならな。」
「てめえ。」
兄ロトがオレに殴りかかりに来る。遅い。こんな攻撃がオレに当たるわけがない。
昔からロトはリシャール家の次期当主であったが、一度たりとも勝てないと思ったことはない。
攻撃を半身になり躱す。よろめいたところに拳を撃ち込んだ。
「カノン、おまえブッコロス。」
ロトが剣を抜こうとする。城内での抜刀はご法度のはずだが。
「やめぬか。恥ずかしい。」
ロトを制したのは父グランツだった。表情を見るがあまり読み取れない。
武勲で出世した男。今戦えばオレは勝てるのだろうか。ライカや狼神剣があれば勝てる気がする。
「だって、パパ。」
「公共の場では父上と呼べ。」
注意されたロトは納得がいかない顔をしている。
「カノン、元気にしていたか。」
「ええまあ。ご無沙汰しております父上。」
「強くなったみたいだな。それに立派な仲間が出来たではないか。」
オレの全身を見てライカやミト、ルーンに視線を移した。
「そうみたいですね。」
「ふっ。今度家に戻ってこい。母も会いたがっているぞ。」
「機会があれば。」
正直、猟犬というスキルを理由に家を勘当されて追放されているんだ。
今更戻る理由はない。
過去の記憶が正しければ、『愚か者が。なぜリシャール家から将軍を出さない。』と真っ先に父上に言われていた気がするが。何かしら父上にも心境の変化があったのかもしれないな。
オレの記憶の父上とは違ってだいぶ老けていた。
「帰るぞ。ロト。」
「命拾いしたなカノン。これ以上リシャール家に恥をかかせるなよ。」
ロトは父グランツと歩きながら振り返り中指を立てている。
二度と会いたくはないし、考えたくもないがお家騒動に巻き込まれそうな気がする。
オレにはライカや仲間たちが居るんだ。
今更リシャール家に戻りたいとは思わない。
「なにやら騒がしくしているな。カノン。」
「すみません。ルノガー将軍。将軍職も断ってしまった。」
「気にするな。本当に将軍になってもらいたいわけではない。形式じゃよ形式。」
ルノガー将軍がニコっと笑った。
「ワシも後20歳若ければカノンの旅についていったのだがな。」
「将軍もまだまだ若いですよ。それに将軍職を辞職しても新しいことに挑戦するんでしょ? 」
「まあな。また手紙に書いて送ろう。カノン、皆、今回の騒動本当に助かった。明日以降出発するのだろう。今日は関係者皆で最後の食事を楽しもう。」
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