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集結


 数分後、ミトとライカが一緒に戻ってきた。無事に合流できたのは喜しい。信じては居たがやっぱり不安なものだ。


 ライカはフェンリルのままだが、話せるようになったみたいだ。

 ミトと話をしながら戻ってきた。


 「二人共おかえり、少し休んだら先に進もうか。」


 ミトが椅子に座りライカは伏せる。用意していた非常食を投げて渡す。


 ロミが駆けつけて回復魔法を二人にかける。


 「ありがとう。私はあんたの元彼女とやりあったわ。」


 「シイナか。ミト、弓はどうした。」


 ミトを見ると、左腕から血が出ており、弓も持っていない。


 「弓は壊されたのよ。父の形見だったのに。まあでもエルフの里で教えてもらった技がなければ私死んでたわ。」


 あっけらかんと言うミトは強い女性だ。


 「そうか。とにかく体を休めてくれ。教皇を守っているやつらはもっと強い可能性が高い。」


 「そうね。手の届くところに来たって感じね。もうひと踏ん張りするために今は休むわ。」


 そう言うとミトは目を瞑った。寝息が聞こえ始めた。どうやら寝始めた様だ。


 敵の本拠地ですぐに寝られるのは肝が座っているのか。それとも、激闘で疲れたのかもしれないな。少しの間だが寝させてあげよう。


 ライカはフェンリルのままだ。胸を怪我していてロミが回復魔法をかけている。


 「ライカ、大丈夫だったか。」


 「うん。ライカね、フェンリルの状態でも喋れるようになったの。クロスナー、良い人だったよ。」


 ライカの目は悲しい目をしている。


 「そうか。よく頑張ったな。」


 色々な事があったのだろう。今は聞かない。終わったらゆっくり話を聞こう。


 モフモフのライカを撫でる。


 「えへへ、カノン大好き。」


 「なっ…何を言ってるんだ。」


 「カノン、ライカにまで手を出したら僕は黙っていないよ。」


 ロミがジーッとオレを見る。までってなんだ。までって。


 「なっなんのことだ。それにこれはオレは悪くないだろ。」


 動揺して言葉に詰まる。


 「わかっていれば良いのさ。ライカ、回復は終わりだよ。もう少ししたら出発するからそれまで休んでいてくれ。」


 ロミは回復が終わりライカをぽんと叩いた。

 ロミが椅子に座るとクロスケが空いているドアから飛んで入ってきた。


 「待ち人きたるさ。」


 クロスケが持ってきた紙を開く。


 「カノン、みんな、城の戦況はあまりよくないみたいだよ。」


 紙を覗くと、ルノガー将軍が素早く書いた文字が書いている。


 『城門は死守。城内のいたるところから教会の信者と魔獣が出現。ギルドなど助っ人来ず。持って数時間。』


 「非常に良くない展開だな。」


 オレは独り言のつもりで呟いたがロミが反応した。


 「そうだね。戻って助けたいけど、僕らは遊撃隊さ。今は教皇を倒すことだけを考えよう。」


 「ああ。それがいいだろう。」


 城の方から爆発音が聞こえた。


 皆で顔を合わせる。不安になるがオレたちが今戻ることは出来ない。


 「急ごうか。目指すは地下だ。文献では地下で魔王復活の儀式と書いていたさ。」


 起き上がり先に進む。右と左両方に通路がある。どちらから進もうか。


 「ライカ。右と左、のどちらから魔力を感じる。」


 「うん。右の下からすごい気持ち悪い感じがするよ。」


 決まりだ。右の通路に入って。階段を下る。


 教会の中ではエドガー達以外誰も居ないのが不気味に感じる。

 それだけ城を攻めるのに人員を割いているということか。今そんなことを考えてもしょうがないか。行けば分かる。


 「こっちは僕が捕獲されていた地下じゃなさそうさ。見覚えがない。」


 ロミが小声で言う。オレは小さく頷く。


 どうも地下一階は一本道のようだ。奥に扉が一つだけ見える。


 罠か。


 引き返すか。でもそんなに時間もない。反対側から捜索するのは現実的ではないな。


 「警戒しよう。嫌な予感がする。」


 皆が頷く。


 タイミングを合わせて扉まで一気に駆ける。


 「行くぞ! 」


 扉を勢いよく開ける。


 広さは訓練場二面くらいの広さだろうか。部屋いっぱいに魔法陣が大きく描かれている。


 奥に三人の人影が見える。


 チャーチル教皇と聖女ルーン。その前に立つ護衛は、以前戦ったアルスだ。

 教皇は呪文を唱えていて、聖女ルーンは虚ろな目をして座っている。


 「チャーチル教皇! 悪いが倒させてもらう。」


 オレは駆け出し斬りかかる。


 前にアルスが飛び出てきて、ぶつかった。


 アルスが連続で斬りかかるのを草薙の剣で受ける。


 「待てよ、カノン。お前は来てくれると思っていたぜ。嬉しいなリベンジがこんなところで出来るとわわな。」


 「オレはお前の相手なんかしてる余裕花い。ロミ、ミト頼む! 」


 ロミの魔法とミトが放った魔法矢がアルスを飛び越えて教皇に飛ぶ。


 「やったか。」


 爆発が起こり、姿が見えない。

 徐々に煙が薄くなるが、黒い壁に防がれたようだ。


 「バカが。俺様が結界を張っているんだ。俺を倒さないかぎり、教皇にはたどり着けない。」


 アルスがケタケタと声を上げて笑う。


 「そうか。だったら最速でお前を倒す。」


 オレが斬りかかり、仲間がスキをつく作戦だ。卑怯など関係ない。これは戦争だ。


 「まあ待て。俺はカノンとサシでやりたい。そうだな、他の奴らは遊んでいてもらおう。」


 アルスが手を地面にかざすと、黒龍が三体でてくる。


 「よそ見するな。お前の相手は俺だ。以前の借りを返すぜ! 」


 アルスがサンダーボルトを五発放つ。

 以前に比べて大幅に上がっているようだ。


 これだこの命をかけたやり取り。たまらなくゾクゾクする。


 オレは無意識に笑った。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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