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カノンVSエドガー

 エドガーが犯人だったみたいだ。こいつはここで消しておく。ライカとミトには人命救助と人の逃げるのを任せる。


 エドガーに蹴られて分かった。強くなっている。この禍々しいオーラ、こいつ魔人化しているな。


 「お前、まさか魔人化しているのか。」


 「魔人化。そうか俺様は魔人化しているのか。」


 エドガーが高らかに笑った。


 「漲る力。これが強さだ受けてみろカノン! 」


 エドガーが剣を抜き斬りかかってくる。


 速い。


 以前とは大違いだ。


 速度・攻撃力・防御力アップのバフをかける。


 「お前の本気を見せてみろ! 」


 「うるせえ。さえずるな! 」


 エドガーの剣を草薙の剣で受けて、胸を蹴飛ばした。少しだけノックバックしただけだ。


 「どうしたカノン。オレに蹴られたのが気に障ったか。それともそれしか手がないとか言わないよな。」


 エドガーは余裕な表情を浮かべている。


 連続で斬りかかってくる。


 「オラオラどうしたカノン。お前はそんなに弱かったのか。」


 たしかにエドガーは格段に強くなった。だがオレの敵ではない。


 連続の斬りをなんなく弾く。


 「お前はいつも口だけだなエドガー。まだ一撃も入っていないぞ。」


 エドガーの顔がゆがむ。


 「ふん。俺様はまだ本気を出していない。まだまだこれからだぜ! 」


 バフをかければ受けるのは容易だな。


 何度も何度もエドガーは斬りかかってくるが一撃もオレには当たらない。


 「どうした。エドガーもう終わりか。」


 「うるせえ。クソッなんで当たらねえんだよ。」


 「それはお前が弱いからだ! 」


 オレは攻めに転じる。 


 無詠唱でインフェルノを放つ。


 「クソッ魔法を使うなんて卑怯だぞ。」


 やり合うのに卑怯もなにもない。

 紅蓮の炎がエドガーを包む。エドガーは炎を嫌がる素振りを見せて、オレから視線を外した。


 ―――今だっ!


 「十文字斬り! 」


 エドガーの胸に十字の跡がつく。手応えありだ。


 エドガーの胸から血が吹き出た。


 この程度の力であれば必殺技を使う必要もない。


 エドガーが手で胸を抑え、オレを睨む。


 「クソッ想定外だ。俺様はまだ完全体じゃない。任務は達成したんだ。今日はここまでにしておいてやるよ。」


 「逃げるのか。エドガー。」


 「うるせえ。今はまだ戦うときじゃねえ。俺様が完全に力を使いこなせるようになった時、最高の舞台を用意してやるよ。」


 エドガーが叫ぶと羽が生え、高く飛び立った。飛んで逃げるようだ。


 飛んで逃げられれば、追いかけることはできない。


 完全体と言うのは気になる。完全に魔人化してしまえば力は手に入るだろうが、人間には戻れなくなるだろう。


 「カノン、こっちは終わったよ。倒れていた人は病院に送るようにミトが手配してくれたの。」


 「ああ。ライカか。ありがとう。教会は魔人化を推し進めているみたいだ。まだ強くなるだろうな次はライカたちの力を借りることになるかもしれない。」


 剣を鞘に収めてライカの頭を撫でた。ロミのこともあって冷静さを失っていた。


 教会はなりふり構わずに動いている。警戒を強めないといけないな。


 ロミのことが心配だ。これからどう動こうか。


 「カノンこれ兵士から渡されたの。見てって言ってたよ。」


 ライカから紙を受け取る。開くと、「水路の隠し部屋にすぐに来て。」と書かれていた。


 罠かもしれないが向かうしかないだろう。




 すぐに水路に入り部屋に向かった。部屋にはレミがいた。


 「カノン大丈夫だったかい。ロミはいないみたいだね。」


 「言い訳のしようもないがロミは攫われた。それに指輪も取られてしまった。」


 「それは残念な知らせだね。指輪は問題ないよ。ロミが予測して偽物と交換していたからね。」


 レミがこれ読んでと言い、紙をオレに渡した。


 『カノンへ。この手紙を読んでいるということは私は無事ではないということさ。取り乱さずに読んでほしい。研究所にスパイが居る。こちらの思惑は教会にバレているだろう。カノンには偽物の指輪を渡しているから教会を一定時間は欺けると思う。これから指輪はカノンが持つのがいいさ。


 まずは僕のことよりも魔法具集めを優先してほしい。先に魔法具を取れれば優位に立ち回れるからね。クロスケの世話をお願いするよ。最後にライカのことだ。伝承では狼と力を合わせるとより強力になるらしい。具体的には調べる時間がなかったから二人で成長してほしいさ。 ロミより』


 「レミありがとう。教会にバレないように破いて捨てておくよ。」


 ロミはこうなることを予期していたのか。自分が犠牲になると分かっていても、局面を良く進めるために自分をも犠牲にする。頭が下がるな。


 「それがいいだろうね。指輪は渡しておくよ。」


 「ああ。次こそは大事に守る。それでオレたちはどうすればいい。」


 「書類は燃えてしまったし、場所は特定できたところだと、北の鉱山。こちらは既に教会に取られているだろうね。西の砂漠は指輪を既に取っているし、南の水の神殿と東のエルフの街あたりが本命だと思う。」


 「エルフと帝国は仲が悪いし、まずは南の神殿から行くべきだろうか。」


 「あと一つは場所も分からないし、それがいいだろうね。」


 「ミト、ライカ、すぐにでも南に向かおう。」


 「カノン待って、キミは焦りすぎだよ。ロミなら大丈夫。私は妹だから分かる。自分を犠牲にする人間だけど命までは簡単に投げ捨てない。こういう時こそ焦らずに進めるべきだよ。」


 そうか、オレは焦ってるのか。自分では気がつかなかった。


 「ああ。すまない。ロミが攫われてから居ても立っても居られないんだ。」


 それだけロミの存在はオレにとって大きかった。


 「気持ちはわかる。そろそろ待ち人が来る頃だ。少しだけ椅子に腰掛けて休むといいさ。」


 誰が来るのだろう。レミの言葉に甘えて椅子に座る。


 心配そうな顔でオレを見るライカの頭を撫でる。


 「心配かけてごめんよ、ライカ。」


 「ううん。私がいけないの。私が人質に取られたからロミが攫われたんだもん。」


 ライカが泣きそうな顔になる。ライカの頭を落ち着かせるように撫でる。


 「大丈夫だよ。ロミは絶対に大丈夫だから。泣かないの。これから頑張ってロミを取り返そう。」


 「うん。私、人間のままだと役立たずで。足を引っ張ることしか出いていない。狼に戻ることも出来ないし。」


 ライカがえぐえぐ言い、泣き出した。


 オレは自分のことしか考えていられなかった。ライカはオレよりも不安で無力感を味わっていたのに。気を配れなかった。


 「大丈夫だから。ロミはオレが救うよ。それにライカは狼の時は誰よりも信頼している。ほら泣き止みな。」


 「うん。私もっと頑張る。」


 「カノンはライカのパパみたいね。」


 ミトが笑顔で冷やかしてきた。


 「ああ。ライカは大事な家族だからな。ミトもいつも冷静に動いてくれてありがとう。」


 「なっなに急に言ってるのよ。ロミがいない今、私がしっかりしないといけないでしょ。」


 ミトは照れて顔が赤くなる。


 「そうだな。オレが熱くなった時は頼むよ。」


 「そうね。狂犬さんの手綱はしっかりと握るわ。」


 その後、四人で話をしていると扉がノックされた。警戒して剣を構えた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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