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ルノガー将軍との再会

 中に入るとルノガー将軍が椅子に座っていた。


 「元気にしていたかカノン。」


 「ルノガー将軍! 」


 嬉しさのあまり大きな声を出してしまった。


 「ロミや他の皆も、よく来てくれた。感謝する。まずは座ってくれ。」


 皆で椅子に座る。


 「早速本題に入らせてもらう。元気にしていたか。」


 「ええなんとか。手紙読まれましたか。」


 ルノガー将軍が頷く。


 「どうなっているか説明してくれ。」


 オレは説明を始めた。


 「簡潔に報告すると、チャーチル教会が帝国を乗っ取ろうとしています。各地で魔獣を使って混乱を起こそうとしていたこと。そして、決定的にそう思ったのは教会の三銃士カルスがもっていた研究資料を見たからです。」


 ロミがカルスの研究資料を手渡す。


 「ほう。なるほどな。話は分かった。」


 ルノガー将軍が俯き、ため息を付いた。


 「カノンの報告の手紙を受け取って、ワシも独自に動いていたのだが、教会の目的が帝国を乗っ取ろうとしていることは間違いないだろう。」


 やはりそうだったか。


 「残念なことに、つかめただけでも帝国関係者の半数は教会に取り込まれている。残念だが、騎士さえもな。」


 オレは唾を飲みこんだ。


 かなり深刻な状況ではないか。


 「それで帝国としてはどうするおつもりですか。ルノガー将軍。」


 「ふがいないが、帝国としては教会に戦争を仕掛けるなどできん。議会も教会に取り込まれているからのう。」


 「それは良くない情報だね。議会まで抑えられれば帝国は動けない。」


 ロミがクビを横に振って言った。


 「今出来ることとしては、教会が集めている魔法具を我々が先に集める必要があるだろうな。教会が集めているものをこちらで抑えていれば目論見の邪魔はできるだろう。」


 「確かに。魔王なんて復活すれば、帝都は滅ぶでしょうね。」


 「その通りだ。それだけは避けねばならぬ。」


 沈黙が続く。


 「そうネガティブになるな。今、研究所で古文書を中心に調べさせておる。研究所はワシが直接管理しているから、今のところは教会に情報はバレれはおらんだろう。ロミの妹もおるしな。」


 「妹のレミには僕から連絡したんだ。個人的に調べてほしいってね。」


 「ああ。その甲斐あって解析は数日のうちに終わるだろうと言っておった。」


 「そうですか。それはありがたいですね。」


 「うむ。カノンには迷惑をかけっぱなしで申し訳ないが、帝国のために力を貸してほしい。」


 ルノガー将軍が立ち上がり深々と頭を下げる。


 「そのつもりでここに来ましたから。もちろんです。このまま教会を放置していて平和が続く訳はありませんから。」


 「カノンの捕縛命令は王様に伝えて取り消しておる。エドガーにもきついお灸をすえたところだ。」


 「それだけで大丈夫です。もう頭上げてください。」


 頭を上げたルノガー将軍が笑顔になる。


 「そうか。これは帝国からの直接の依頼だ。魔法具の回収をしてくれないか。」


 「もちろんです。そのために来ましたから。」


 「恩に着る。」


 教会の行ってきたこと。オレたちが考えていた今後の教会の動きを全て報告した。


 黙って聞いてミトが発言した。


 「サンドタウンも今回の騒動解決に協力するわ。」


 「サンドタウン首長のミトか。大きくなったな。昔行ったときには赤子だったのに。前首長は大きな男だった。」


 「父をご存知なのですか?帝国と交流は殆どなかったはずですが。」


 「なに、個人的な友人じゃ。昔は共に帝国を駆け回っておったわ。病気は残念じゃったな。帝国の一大事に協力してくれるサンドタウンを悪いようにはせん。ワシが誓う。」


 ミトが頷いた。



 「それにしてもカノン、良い男になったな。目が変わった。良い目をしておる。」


 人に褒められてもあまり心は動かないが、ルノガー将軍に褒められるとすごく嬉しい気持ちになる。


 「仲間のおかげです。オレ一人の力じゃ何も出来ませんから。」


 「そう言うな。ワシはカノンには昔から期待しておるのだ。」


 そう言うとルノガー将軍は豪快に笑った。


 「カノンは良い人だもんね。」


 ライカが笑いながら言う。恥ずかしくて顔が赤くなりそうだ。


 「キミがライカか。カノンを支えてくれてありがとう。」


 ルノガー将軍は目下の者であれ、頭を下げる。ルノガー将軍のこういうところがオレは好きだ。帝国の偉くなった人間は目下の者には挨拶すらしない人間が多くいる。将軍が慕われるわけだ。


 「ううん。私はただカノンと冒険をしてるだけだもん。支えてなんかいないよ。」


 「そうか。それがカノンにはよかったのかもしれんな。ワシはカノンが騎士の時代には負担しかかけられんかったわ。」


 ルノガー将軍が寂しそうな目をした。


 「ロミも居るし大丈夫だとは思うが、帝都内では目立たないようにしてくれ。どこで情報が漏れるかわからん。宿もスラム街にはなるが取っておいた。そこで寝泊まりしてくれ。」


 「もちろんです。研究所で魔法具の事が分かり次第、回収に向かいます。」


 「ああ。研究所は自由に使ってくれ、帝国の危機だ。お前たち頼むぞ。」


 皆で頷く。将軍は王様に報告するといい先に部屋から出ていった。


 「オレたちもここに居てもしょうがない。今日はご飯を食べて宿で休もうか。明日、朝一で研究所に向かおう。」


 その後、ロミが行きつけの食事処で食事を済ました。ライカが店の在庫がなくなるくらい食べて、悲しそうな顔でロミが支払いをしてた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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