表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/95

真夜中の決闘


 「カルス、お前は何者だ。」


 カルスは立ち上がり、満面の笑みでこちらを見た。


 「さすがはカノン。元帝国騎士のエースだけはあるな。兄が言っていたことは正しかった。」


 オレが帝国騎士だったことも知っているのか。兄とは誰のことだ。オレの知り合いか。


 「カルス、もう一度聞く、お前は何者だ。」


 「カノンのことだ。もう察しはついているだろ。俺は教会の三銃士カルスだ。兄がお前には世話になったみたいだな。」


 狐の村で戦ったアルスの弟なのか。たしかにどこか出会ったことがあると思っていたが、そう言われると、髪色は違うがアルスと似ている。


 カルスは教会の人間と言うことだ。


 「なるほど。そういうことか。辻褄が合った。残念だ。残念だよカルス。お前を友だと思っていた。」


 「御託はいい。剣を抜けよカノン。やはりお前を警戒しろと言った教会と兄は正しかった! 」


 そう言うと、カルスが剣で斬りかかってきた。


 俺は草薙の剣で防ぐ。


 カルスが斬りながら話しかけてくる。


 「もしカノンが気がつかなかったら、首長を暗殺するつもりだったんだ。」


 笑いながら斬り、カルスが話を続ける。


 「首長ミトを殺せば砂漠の部族はどうなると思う。帝国が勝手に殺したと考えて、帝国を相手に戦争を仕掛ける。この街のやつらは単純なやつばかりだ。」


 「ふざけるな! 」


 剣で押し返し距離を取る。


 「だが、 蠍や蟹の暴走も! その暗殺も! お前が狂わせた…お前が計画を狂わせたんだよカノン! だが、カノンを殺せるのはオレは嬉しいぜ。」


 そう言うと、カルスがまた斬りかかる。


 「なぜなんだ。カルス。オレはお前を友だと思っていた。」


 「ふっ。それも全て演技だよ。喋ってる暇はないだろう。」


 剣で斬りかかると思わせてカルスは蹴りを放つ。蹴りを食らってよろめいたところを斬りかかってくる。本気で殺す気だ。


 寸前のところでサンダーボルトを放ち、カルスがバックステップで避けた。


 「どうしたカノン。やり合おうぜ。猟犬なんだろ。こんな機会そうないぜ。」


 笑いながら戦うのがカルスの戦闘スタイルなのかもしれない。


 「もう辞めてくれカルス。お前は間違えている。研究を楽しんでいるお前が本物のカルスだろ。こんな事辞めてくれ! 」


 「はっ笑わせるなカノン。あんなのただの演技だぜ! 」


 カルスはアルスより強い。これで魔人化したら苦戦するだろう。ただアルスと同じ様な剣術を使うから対応はできる。


 カルスの剣撃を草薙の剣で防ぐ。


 「カノン。本気を出せ。本気を出さないならお前の大切なロミとライカを今から殺しにいくぞ。」


 オレはカルスを殺したくない。捕縛して終わらせたかった。だが、仲間を殺すと言われては引き下がれない。


 覚悟を決めよう。これだけ強いんだ。捕縛なんて出来っこない。


 オレは草薙の剣でカルスの剣撃を弾き反撃に出る。


 カルスが後に躱し脚を狙って斬ってくる。


 オレは草薙の剣で防ぎ、カルスを蹴飛ばした。


 「その調子だカノン。もっとだ! もっと本気を出せよ! 」


 カルスは笑っている。


 一瞬だけ二人が剣を構えて止まる。


 すぐに動き出し、攻防を繰り広げる。まさに紙一重の攻防だ。


 雲が動き、満月が隠れて辺りが暗くなる。剣の音だけが響き渡る。


 俺は暗くなるこの一瞬を待っていた。


 「全てを焦がせ! 天地雷鳴! 」


 至近距離から草薙の剣の魔法を使う。


 剣から駆ける雷がカルスに直撃する。


 カルスが膝をつく。


 「痛えぇぇ。こんな技があるなんて聞いていねえぞ。」


 カルスのローブが焦げている。ダメージは入ったようだ。アルスに見せた技は恐らく教会内で情報共有されている。スキをつくなら草薙の剣だ。草薙の剣のことはアルスは知らない。


 「チッ…しょうがねえな。」


 カルスは胸元から飲み薬を取り出す。


 「魔人化するのか。カルス。」


 「しょうがねえだろ。カノンを殺すのも教会からの命令だ。」


 「そんなの…まともな人間じゃない。」


 「そうだろうな。俺とカノンが別の場所で、別の立場で出会っていれば仲良くなっていたかもな。」


 カルスの目が少しだけ悲しそうに見える。


 「だが俺はお前を殺すぜ! それが俺の仕事だからだ! 」


 薬を一気にカルスが飲み干す。


 禍々しいオーラを発する。魔人化だ。カルスの体がみるみるうちに変化していく。


 俺は速度・攻撃・防御アップのバフを重ねがけする。


 「そうだ。カノンもくだらねえ冒険者なんか辞めて一緒に教会で働かないか。地位も名誉も手に入るぞ。」


 カルスが笑う。


 「何をバカなことを。今言われてはいそうですかと言うと思うのか。」


 「思わんな。なあ、カノン。魔人化はいいぞ。力が漲る。」


 「そうか。」

 

 俺はカルスが攻撃をする前に斬りかかる。


 カルスが剣で受ける。


 「おっと、まだ話をしている途中だろ。カノン。」


 カルスがオレの腹を殴る。


 しまった。反応できなかった。焦りすぎたか。


 息が出来ずに膝をつくが、すぐに剣が飛んでくる。


 剣じゃ間に合わない。横に転がって避ける。


 「無様だな。カノン。やはり人間なんて愚かな生き物でいるべきではない。弱いし頭も悪い。滅ぼすべきだとは思わないか。」


 「狂ってる。」


 「狂っているのはお前たち人間のほうだ! 」


 カルスが叫んだ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


「面白かった。」


「続きが見たい。」


「頑張って更新して!」


と思った方は、


下にある☆☆☆☆☆をタップして、作品の応援をお願いいたします!


面白かったら「星5つ」あんまりだなと思ったら「星1つ」

正直に感じた気持ちで押してくださいね!


重ねて、ブックマークもお願い致します。


何よりも励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ