砂漠の街の熱い歓迎
三十分程度サソリに乗っていると、街が見えてきた。
歩けば数時間かかるところを三十分で着くことができるとは感謝しかない。
「ボス、ありがとう。本当に助かった。」
「何いってんだ。カノン、良いってことよ。オレたちもうダチだろ。」
見た目はいかつくて怖いが、いい人たちだった。
「オレたちは砂漠の奴らから嫌われているからな。ここまでだ。後は歩いていけ。もうちょっとだけ砂漠を走ってくるぜ。ロミちゃんは街の医者に見せるんだ。薬をもらえば一日で治るさ。あばよダチ公。また会おう! 」
砂漠の街サンドタウンはすぐそこだ。
ボスと握手をしてライカの背中にロミを乗っける。
ボスたちはサソリで爆走して去っていった。
歩いて数分の距離だ。ここが砂漠の街サンドタウンか。
「待て。動くな。手を上げろ。」
街門に近づくと男たち数名がこちらに矢を構えている。熱烈な歓迎だな。
「オレたちは冒険者だ。敵意はない。弓を降ろしてくれないか。彼女が倒れて医者にすぐに見せたい。」
倒すことは容易いが、今は一刻も早く医者に見せるべきだ。揉め事をおこすべきではない。
「どうやって夜の砂漠を越えてきた。」
「歩いてだ。途中サソリに乗った男たちに助けてもらったがな。」
「ほう。アイツラの仲間か。また街で暴れるんじゃないだろうな。」
そう言うと、赤い髪の女が目の前に出てくる。
「この倒れている女、賢者ロミだろ。今この街は緊張状態にある。状況はわかったが街に入れることはできない。」
「命の危険が分かって、なぜ街に入れてくれないんだ。」
「この女が我々に対して害意があるかどうかわからないからな。」
街で何かが起こっているのは読み取れるが、それだけでは納得できない。
「命がかかってるんだぞ。」
オレは目の前の女に近寄る。
「ミトさん。離れて下さい。攻撃される前に撃ちます。」
「いつも首長と呼べと言っているだろう。」
どうやらこの女首長がミトと言うんだろう。門の松明に照らされてエスニックな顔立ちで美しい赤色の髪、目も赤いが見えた。弓を背負っていてるから弓使いなのだろう。胸も大きいし、若いのに首長とはたいしたのものだ。
女首長ミトが手を降ろそうとした時、
青年が街から走って言った。
「まあ待ってくださいよ。ねえ首長ミトさん。彼らの身分は僕が保証しますから。」
庇ってくれる男は知り合いではない。服装からして冒険者だろうか。
「ふん。まあいい。お前たち用がすんだらすぐに出て行け。せいぜいこの街では行動は慎めよ。」
そう言うと、女首長は門に戻っていった。護衛の男たちもあとに続く。
「話は聞いていました。私の名前はカルスです。研究者です。早速知り合いの医者に見せに行きましょう。」
「ああ。感謝する。オレはカノンだ。ライカ行こう。」
ロミを乗せたライカとともにカルスに付いていく。
カルスの紹介で、医者に見せると砂漠病と呼ばれる病気みたいだ。急な温度差で高熱が出るらしい。薬を飲んで寝たら一日で治るから安静にしろと言われた。
早速宿を借りる。どうやらカルスも同じ宿らしい。案内してもらいロミに薬を飲ませて、ベッドに寝かせる。先程より少しだけ元気になっているみたいだ。
オレにやることはないから、青年カルスと呑みながら話し相手になってもらう。ロミを助けてもらったお礼を兼ねて奢った。
「カルス。先程は助かった。本当にありがとう。」
「いや、気にしないでくれ。」
「この街では何が起きているんだ。」
「ああ。俺も数週間前に来たばかりだから詳しくは知らないんだが…」
どうもこの街は帝国領ではあるがお隣のアラン公国寄りらしい。この街では最近、不審な事件が起きており帝国が仕掛けてきたのではないかと疑っているそうだ。
「なるほど。それで街に入れないと言われたのか。」
「そうみたいだな。でも命がかかってるんだ。首長のミトは間違えている。」
そう言うとカルスがグラスを机に強く置いた。良いやつそうだな。
俺は頷いた。
「それでカルスは研究者だろう。なぜこんなところにいるんだ、」
「ああ。砂漠の遺跡は格好の研究材料だからな。研究も兼ねてこの街に来たのさ。」
「そうなのか。こんなところまで来るなんて、研究者とは変わった生き物だな。」
「ハハ。たしかにそうかもしれないな。」
「なあカルス、オレたち今まで会ったことはないよな。」
「ああ。今日が始めて会ったと思うが。俺は今まで迷宮としメイロンにいたんだ。そこであったかい。」
「いやすまなかった。気のせいだろう。メイロンには行ったことがない。」
グラスの残りを一気に飲み干す。どこかで会ったことがある気がしたが気のせいだったか。研究者の知り合いなんてロミしかいないし、メイロンにも行ったことがない。見当違いだったか。
「カノンは冒険者だろ。ダンジョンに行くのか。」
「ああそのつもりだ。ダンジョンには詳しいのか。」
「もちろんだ。俺は二週間ダンジョンに行っていたからな。」
サンドタウンのダンジョンは遺跡になっているらしく階層も四十階まで。骸骨やサソリなどの魔獣が出現するらしい。
「そうか。」
「もしよかったら一緒に行かないか。と言っても俺は戦えないから、お金は払う。護衛してほしいんだ。」
「いいだろう。ロミが回復するまでは暇だからな。」
そう言うとカルスが手を差し出して来た。
オレはつよくにぎりかえした。
「まあ、せっかくサンドタウンまで来たんだ明日はオアシスなど街を案内するよ。僕は眠くなってきた先に寝させてもらうよ。今日はごちそうさま。」
そう言うと、カルスは部屋に戻っていった。
オレも寝ているロミの様子を見る。
ロミは寝息をたててぐっすり寝ている。高熱も収まってきているみたいだ。
よかった。元気になったらオアシスでゆっくりしよう。
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