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騎士エドガーの災難Ⅴエドガー騎士見習いへ降格する

Side:エドガー

 翌朝、目を覚ますと宿のベッドに寝ていた。


 昨日のことは夢だったのだろうか。いや現実だ。右腕と右脚が痛むし、動かない。


 くそっ。昨日のことは誰にも言えない。カノンに殺されちまうし俺様のプライドが許さない。


 シイナが部屋に入ってきた。


 「エドガー、あんた大丈夫なの。昨日憲兵に連れて来られたのよ。心配したわよ。」


 今日はシイナの機嫌がいいみたいだ。


 「ああ。暴漢に少女が襲われているところを助けてな。複数人だったから助けられたけどやられちまった。」


 適当な嘘をでっち上げる。これで騙せるだろ。俺様は頭がいいからな。


 「帝都にはあなたの怪我を報告しておいたわ。あなたは魔法都市を出るまで休んでおいて。」


 そう言うとシイナが出ていった。


 カノンが見つかるわけがない。あいつはもう街を出たさ。バカな女だ。


 骨を折られると回復魔法でも一瞬では治らないな。クソッ、カノンごときに後れを取るとは思わなかった。俺様は酔っていたからだ。そうに違いない。


 でも、昨日はカノンに殺されかけた。これからは慎重に動こう。絶対にカノンを殺れる機会を伺うんだ。必ずカノンに復讐してやる。


 


 シイナたちが数日間カノンの捜索をしたみたいだが、結局見つからなかった。当たり前だ、カノンはもうこの街にはいない。


 帝都に帰還する。俺様は帝国から派遣された男たちが引く荷馬車に乗せられて帰った。


 先に俺様が怪我をしたという報告は帝都に届いているはずだ。カノンは捕獲できなかったが、暴漢から少女を守った設定なんだ。評価は上がるだろう。



 

 将軍ルノガーの部屋に入り、シイナが事の顛末を報告する。


 「そうか。ご苦労だったな。カノンに会えなかったか。」


 「はい。ギルド等に確認しましたが残念ながら。憲兵にも街を出入りするリストを提出させましたが、カノンの名前は有りませんでした。」


 そうか。と言い父上が頷く。


 「エドガーもカノンと会わなかったんだな。」


 「はい。暴漢に絡まれた少女を助けたので初日の夜に負傷しました。それからは捜索に参加出来ていませんが、会っていません。」


 「そうか。」父上がため息を付いた。


 ここは俺様が褒められるところじゃないのか。なぜため息なんですか。父上。


 「実は、関係者から報告があってな。カノンと会ったんだろ? エドガーよ。」


 関係者とは誰のことだ。俺様がカノンと会った時に誰も見ていなかったはずだ。


 「えっと…会っていません。」


 「もう良い。嘘をつくな。複数人から報告があったんじゃ。お前が嘘をついているとしか思えん。それに暴漢なんかに騎士が後れを取るとは思えん。カノンと闘ったんだろう。」


 すごい剣幕で父上が怒鳴る。こんな父上の顔を見たのは初めてだ。


 俺様はつばを飲み込む。


 嘘だ。なぜ俺様がカノンと闘ったことがバレているんだ。


 「………」


 シイナはすごい顔で俺様を睨んでいる。


 「その沈黙は了承と取ろう。騎士エドガーよ。本日より騎士見習いへと降格を命じる。」


 嘘だ。騎士見習いなんて…ただの雑用係だ。なぜ俺様が降格させられるんだ。


 父上が、シイナに近づき、耳元で呟いた。


 「シイナも残念だ。教会からカノンとエドガーが接触したと報告があっての。コウモリにならぬように気をつけないといかんな。」


 俺様には聞こえなかったが、シイナが手をギュッと握りしめて、拳が震えている。


 「まあ良い。皆、今日は休め。明日からダンジョンに行ってもらう。エドガーは騎士見習いとして朝五時から馬の部屋と掃除。武器磨きを毎日するように。」


 「待ってくれ。パパ。俺は悪くないんだ。話を聞いてくれ! 」


 「もう良い。これからは息子だからと特別扱いはせん。ワシが全て悪かった。騎士見習いが嫌なら辞めて良い。好きにするがいい。」


 そう言うと、父上が手をパッと一度だけ振った。出て行けということだろう。



 部屋を出るとシイナが俺様の胸ぐらを掴む。


 「なにするんだ、シイナ。俺様は怪我人だぞ。」


 「エドガー、あんたふざけんじゃないわよ。あんたのせいで私の評判まで下がったじゃない。カノンを見つけたら接触せずに報告しろって言ったわよね。」


 シイナはすごい剣幕で迫ってきた。


 「俺を信じないのかよ。シイナ。俺たちは仲間だろ。関係者の密告を信じるのかよ。」


 バチンと音がして、頬がジンジンと痛む。俺様がシイナに殴られただと。


 「教会よ。教会の関係者があんたとカノンと居るところを見ていたのよ。あんた本当に使えないわね。もういいわ。」


 そう言うとシイナは怒って城から出ていった。


 クロスナーとフラメルも蔑んだ目で俺を見ている。俺様をそんな目で見るな。


 「なんだよ。お前たちも俺様のことを疑うのかよ。いつも足手まといのお前たちをサポートしていたのは俺様だろ。」


 俺様は二人を睨む。


 二人はなにも言わずに去っていった。俺様だけがその場に取り残された。


 俺様が騎士見習いだと。カノンにも負けて、脅され、騎士見習いに降格させられた。シイナにまで殴られたんだ。


 たった一回ミスしただけじゃないか。


 納得がいかない。家で父上に話をつけてやる。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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