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賢者ロミに相談する


 「ロミ校長。大丈夫ですか! 」ローブを着た男が、甲冑を着た2人と部屋に入ってきた。


 いや、甲冑は頭がない。デュラハンだ。デュラハンはなぜここにいるのだ。敵襲か。


 デュラハンは頭がない魔獣だ。馬に乗っていることもあるが、街中にいるような生き物じゃない。ダンジョンの奥深くに居る事が多いはずだ。魔獣ランクはBクラスのはず。なぜここにいるのだ。


 慌てて剣に手をかける。


 「ノックくらいしなさいよ。アドルフ先生。」


 ロミがあくびをしながら言った。


 「その男が不審者ですか。生徒から通報があったんです。ロミ校長が攫われると思って、助けに来ました! 」


 ローブを着た男はアドルフと言うらしい。話から見て、魔法学校の教師と言ったところだろう。


 「そこのカノンなら私の知り合い。」


 「知り合いですか。そうこの男に言わされているんですね。くそっ。ロミ校長を人質に取るなんて卑怯な!お前たちこいつを取り押さえろ! 」


 世の中にはエドガーみたいに話が通じないやつもいる。こいつもそうみたいだ。


 デュラハン二体が詰め寄ってくる。


 しょうがない、やるしかないみたいだ。


 剣を抜いて構える。いつでも来い。ライカは巻き込まないようにロミの横に移動させた。


 「あのねえアドルフ。いい加減にしないと怒るわよ。今度は罰として掃除だけじゃ許さないわ。カノンは私の昔からの知り合いよ。」


 ロミがそう言うと、アドルフがデュラハンに止める指示を出した。


 「そっそうなんですね。早とちりしてしまいました…」


 そうアドルフは言っているがオレを睨んでいる。オレがなにかしたか。逆恨みも良いところだ。


 「それで、その男はロミ校長とはどんな関係なんですか。まさか恋人とか。」


 恋人と言う言葉に反応して、ライカがビクッとしたのが見えた。


 「なんであんたに一々プライベートの話を説明しないといけないのよ。取り込み中よ。早く出ていって頂戴。」


 ロミが不機嫌そうに言い放った、


 「ロミ、良いじゃないか。昔からのただの知り合いだろ。魔法のことで、相談しに来たんですよ。」


 「ロミじゃない。ロミさんだろ。クソガキ。」


 初対面でここまで敵意を丸出しにされると流石に苛ついてくる。なんだこの男。


 「もう、早く下がって頂戴。今はカノンとライカと話しているのよ。」


 ロミが面倒くさそうに手をパッと数回振り、アドルフに言った。


 「分かりました。何かあったら呼んでください。念のため、その男を信用できないので外で待機させていてただきます。」


 そう言うと、アドルフとデュラハン二体は部屋から出ていった。


 「ロミなんだアイツは。失礼だな。」


 「ええ。アドルフは私のことが好きなのよ。めんどくさいのよね。カノンは楽だから良いわ。」


 そう言うと、ロミはウインクした。


 「ロミも大変だな。それでさっきのデュラハンは魔法で操っているのか。」


 「ふむふむ。カノンも気が付いたかい。去年くらいに教会から依頼があってね、魔法で魔獣を扱えないか。実験を頼まれていたのさ。」


 これは教会の尻尾を掴めるかもしれないな。


 「ロミ、説明してくれ。教会の誰に依頼された。」


 ロミの肩を正面から掴む。


 ロミが手で人差し指を一本立てて、指を上げた。


 「? 」


 正直分からないが、一番偉い人ということか。


 「まさか、チャーチル教の教皇とでも言うのか。」


 「さすがカノンだね。話が早いや。その通りさ。彼から直接の依頼だよ。彼が魔法学校までお忍びで三銃士と来てね。その時にお願いされたのさ。」


 ここでこの件を話せば、外にいるアドルフに聞かれてしまう可能性もある。どうせ扉に耳を当てて盗み聞きでもしているのだろう。嫌なやつだが、教会とのゴタゴタに巻き込みたくはない。


 「そうか。その件でも話がある。酒でも呑みながら話そう。」


 「そうこなくっちゃ。ライカちゃんは好きな食べ物ある。僕がなーんでも買ってあげるからね。」


 ライカは嬉しそうに頷いた。


 「ライカは死ぬほど食べるから、いっぱい買って帰ろうか。」


 「そうかいそうかい。僕はいっぱい食べる子は大好きさ。早速帰ろうか。」


 扉をロミが開けて、鍵をしめる。


 やはりアドルフが扉に耳をつけて盗み聞きしていた。


 「これはっその…」と言い気まずそうにしているが、ロミは相手にしない。その姿を見て、鼻で笑ってしまう。バレて困ることなら最初からやらなければいいのに。


 「おい、待て、お前今笑ったな。」


 「いや笑っていないが、気のせいだろう。」


 「いいや、笑った。ロミ校長、こいつとやらせてください。こいつは魔法学校を愚弄しました。許せません。」


 アドルフはプライドだけは高いみたいだ。それにオレには戦う理由がない。面倒事に巻き込まれるよりも、早くロミと話がしたい。


 「良いじゃないか。どれだけカノンが強くなったか僕も見たいさ。」


 ロミの顔を見なくても分かる。こいつ楽しんでいるな。


 「ほら、ロミ校長もそう言っている。それとも冒険者は腰抜けか。」


 何をバカなことを。めんどくさい。ため息が出る。


 「お嬢ちゃんもそんな腰抜けといないで、俺とデートしないか。」


 ライカにデートを申し込むなんて、兄として許しません。それにお前は30歳超えているだろ。犯罪だぞ。


 「わかった。やれば良いんでしょ。ロミ。これが終わったら高い酒準備しておけよ。」


 「よし。そうと決まれば、校庭に行こう。結界が張っていて魔法が当たっても何も壊れない。まあ体に当たったら痛い思いはするかもしれないがな。」


 アドルフが笑った。

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