団長エドガーの災難Ⅺ団長職の剥奪
目を覚ますと、牢屋の中のベッドみたいだ。
酔いが冷めていて、昨日のことをだんだんと思い出してきた。
居酒屋で乱闘して捕らえられて、牢屋に入れられたのだ。
冒険者が悪い。誤解だ。と散々説明したが、頭の悪い憲兵は納得しなかった。
牢屋に入れられて、憲兵がすぐにいなくなり、暇になったからいつの間にか寝ていた。
くそっ。なぜだ。なぜオレたちが牢屋なんかに入れられるんだ。
壁で見えないが、隣からうるさいイビキが聞こえる。このイビキはクロスナーだろう。
それにしても牢屋の中は臭い。こんなところ貴族の俺様がいる場所じゃない。
早く助けに来てくれ。父上。
それから朝の飯だと憲兵が言い、犬でも食べないようなご飯が出てきた。いや、ご飯とも言えない。こんなもの食えるか。俺様は団長様だぞ。
昼は過ぎただろうか。
やっと父上が憲兵とともに、牢屋に降りてきた。
「父上、誤解なんです。」
「エドガ―、昨日ワシが言ったことをもう忘れたのか。」
ルノガーの顔は呆れているように見える。
もちろん。覚えているさ。騎士団長としての自覚だろう。
「当然、覚えています。騎士団長としての自覚という話でしょう。」
「分かっていて、なぜこのような騒動を起こすのだ。このバカ者! 」
「僕は悪くない。悪くないんだよパパ。」
「情けないぞエドガー。泣くんじゃない。」
くそっなんで上手く行かねえんだよ。俺様が戦場にいた時は全てが上手く回っていた。それなのになぜなんだ。
「なんでこんなことになるんだ! 戦闘だって今まで負けなかった。うまく依頼をこなせていたのに。俺様は団長だぞ! なぜっ! 」
俺様は叫んでいた。
「お前を甘やかし過ぎたようだなエドガー。そんなことも理解できておらぬとは失望した。全てカノンがいたからだろう。」
全身の血の気が引くのを感じる。
嘘だ。カノンがなぜ。俺様の成功にカノンは関係ないだろう。
「他のお前たちも気がついていないのか。なんと、愚かな。」
父上はため息を付きクビを横にふる。
「どういうことだ。将軍のおっさん。」
クロスナーが檻の鉄棒を持って叫ぶ。
「戦闘で死ななかたったのも、実力以上が戦闘で出せていたのもカノンが裏で動いていたからだと言っている。」
「なんだってっ! 」
フラメルも叫ぶ。
「こんなことすらも気がついていなかったとは全員、騎士団として実力が足りぬな。」
俺様は汚い地面にへたり込む。
そんなバカな。あんなに下に見ていたカノンがいたから、活躍できていた。嘘だ。そんなことあるわけない。
「そんなことねえよ将軍のおっさん。カノンはたしかにNo.Ⅵだ。でも俺たちと位は一つか二つしか違わねえし、エドガーに至ってはNo.Ⅰだぞ。カノンより下なはずがねえ。」
クロスナーが叫ぶ。
「クロスナー、お前が一度でもカノンに単純な一対一の戦闘で一本取ったことはあるか。」
クロスナーが無言になる。そう言われるとクロスナーが一本取った姿を見たことがない。いつもカノンが有耶無耶にして、クロスナーは強いなと言い戦闘を終わらせていた。
「フラメル、お前は賢い。もう理解しているだろう。以前と比べて魔力の総量も少なくなって、魔力も戦場にした頃の半分も出せていないのではないか。」
フラメルに至っては目の前の牢屋に居るんだ、頭を抱えているのが見える。
「待ってよパパ。僕が一番強いから、僕がNo.Ⅰなんだろ! 」
「愚かな。エドガーお前を甘やかし過ぎたようだ。反省の色も見えん。今日から団長の地位を剥奪する。通常の団員No.Ⅶとして励んでくれ。これは王様が決めたことだ。」
No.Ⅵだってそれはカノンの番号じゃないか。
呆然として、天井を見上げ呟く。
「嘘だ。なぜ…俺様が団長だろ。誰が団長をするんだ。」
「ふむ。言っていなかったか。団長は一旦不在とする。カノンに着任してもらうよう打診するつもりだ。」
ふざけるな。怒りが込み上げる。おもいっきり壁を殴る。
殴った拳から血が出てきたが、怒りで痛みは感じない。
絶対にカノンを殺してやる。
「ちょっと待って。私はこの騒動に関係ないわ。牢屋から出してくれないかしら。」
シイナがルノガーに言った。
俺様だって一刻も早くこの臭い牢屋から出たい。それなのに自分だけ出るなんてなんて女だ。後でシイナにはお仕置きをしてやらないといけないな。
「ふむ。そうか。シイナ。お前はカノンの事を分かっていて止めなかったな。それは教会の指示か。なにやら面白い噂を聞いてな。お前が教会のスパイという面白いこと噂を聞いたのだが、なにか知っておるか。」
父上がシイナの近くに寄ってなにか言ったみたいだが、俺様には聞き取れなかった。
シイナは何も言い返していないみたいだ。俺様の女に何を言ったんだ。父上。
「よし。皆分かったなら牢屋で反省してくれ。牢屋から出ても一週間は謹慎期間だ。来週までは自宅待機するように。その後の動きはまた連絡する。」
そう言うと、俺様と目を合わせずに父上は牢屋から出ていこうとする。
「待って! パパ、パパ~!」
叫んだが一切こちらを見てくれなかった。薄情な父上だ。
すぐに父上が助けに来て、牢屋から出してもらえると思った。
それなのに、このまま牢屋で反省? 団長を剥奪? ふざけるな!
なんでこんな目に貴族の俺様が合わなければならないのだ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
「面白かった。」
「続きが見たい。」
「頑張って更新して!」
と思った方は、
下にある☆☆☆☆☆をタップして、作品の応援をお願いいたします!
面白かったら「星5つ」あんまりだなと思ったら「星1つ」
正直に感じた気持ちで押してくださいね!
重ねて、ブックマークもお願い致します。
何よりも励みになります!
「S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る」も同時連載しております。こっちも見てくださいね☆
も同時連載しております。
みたい方は「作者マイページ」から見ることができます。ぜひ見てくださいねッ☆




