団長エドガーの災難Ⅸ帝都へ逃げ帰る
ニーナの案内で地下三十九階まで来れた。今は最後の四十階ボスのために休憩している。
ここまでカノンとすれ違わなかった。あの雑魚カノンが単独で四十階まで来れるなんて信じがたいがまあいいだろう。
この40階にいる。金貨500枚が目の前だっ!
待っていろ。カノン。
ニーナが澄ました顔で発言する。
「次で最下層です。どうします、もう少し休みますか?」
「いや、行こう。皆、準備はいいか。」
皆が頷く。
待ってろよ。カノン。
四十階のボスは骸骨ロードだ。
手が四本ある。間違いない。このダンジョンで一番強い。
四十階に入ると、ニーナが後に下がっていった。
「何を勝手に下がってるんだ、ニーナ。契約と違うぞ! 」
「私は四十階まで連れていくと言っただけです。もう契約は終わっていますよ。頑張って倒して下さい。帝国騎士なら余裕でしょう。奥の小部屋にカノンさんがいるかもしれませんよ。」
くそっどこまでもムカつく女だ。
俺様の天才的な作戦で倒すしかない。
「シイナも前に出ろ! 腕が四本ある。三人が前衛で踏ん張るぞっ! 」
俺様とクロスナー、シイナが前衛に出る。
腕は四本あるから、前衛の誰かが二発攻撃を食らう。
防ぐので手一杯だ。
攻撃に転じられない。
ダメージだけ受けて一撃も攻撃が出来ていない。
イライラと焦りが襲ってくる。
「フラメル!ボサッとするな! 速くバフかけろ。」
「何度も言わせないで下さい。もうかけてます! 」
チッ使えない。フラメルがこんなに雑魚だとは思わなかった。何が賢者になる男だ。
バフも十分にかけられない。足手まといじゃないか。
「エドガーさん、このままでは負けますよ~頑張ってください。」
心底ムカつく女だ。絶対に土下座させる。
シイナのダメージが大きい、息が上がっている。
当然だ。双剣で盗賊なのだ。前衛で持ちこたえるのは厳しい。
「シイナ、踏ん張れ! 」
「やってるわよ。速く打開してっ! 」
打開しようにも攻撃に転じられないのだ。
このままではマズい。
俺様が切り開くしかないっ!
盾で剣撃を押し返して、斬りかかる。
しまった。二撃目が俺に飛んできていた。
―――避けられない。
剣撃が壊れかけの部分にあたり、完全に割れた。
衝撃で吹き飛ばされる。
剣も落としてしまった。
「エドガー大丈夫? 」
シイナだけは心配してくれるが、このままだと死んでしまう。
「エドガー、撤退しよう。骸骨ロードは荷が重い。それに、カノンが奥の小部屋にいるとしたら、骸骨ロードは復活していないはずだ。つまりカノンはここにはいない。」
確かにそうだ。
ボスは倒してから復活するまで数時間かかる。
なぜ、気がつかなかったのだ。
「よしっ撤退しよう。クロスナー、俺の剣を拾ってくれ。」
「無理だ。防御だけで手一杯なんだ。剣は置いていこう。」
俺様の指示を聞かずに、シイナ、クロスナー、フラメルが走って扉に向かう。
くそっ!言うことを聞かない奴らめ。
しょうがない。剣は諦めるか。
俺たちは戦略的撤退した。
ギルドに戻ると、ニーナが言う。
「今日はお疲れ様でした。ポーション代と最下層への案内料で金貨50枚になります。」
「ふざけんな。俺は払わねえぞ。」
「いいんですか?払わなくて。」
「俺様は帝国の騎士だぞ。嘘はつかない、俺様はそんな約束したか?なあ、お前たち。」
ボロボロになったシイナ、クロスナー、フラメルが頷く。
「分かりました。それではお帰り下さい。またのご依頼をお待ちしております。」
「こんな街言われなくてもすぐに出ていってやるよ。」
馬車を借りてサンタルークに戻る。カノンにも会えないし散々な目にあった。
サンタルークの街では教会が宿と接待をしてくれた。
そうだ。俺たちは接待される立場なんだ。なぜ、俺たちがカノンなんかを探さなければいけないんだ。
翌日、帝国から連絡が来た。
「王様激怒。今すぐ帰られたし。」
流石にマズいか。カノンは二の次だ。帝都に戻ろう。
馬車で一日かけて帝都に帰る。
すぐに謁見の間に呼ばれた。
「王様、帝国騎士団長エドガー、今戻りました。」
「面をあげよ。」
面を上げると、王様も父、ルノガ―将軍も怒っているようだ。
「お前たち、何をしたのか分かっているのか?」
帰りの馬車で四人で話を合わせていた。
「いえ。何のことでしょうか。カノンを追っておりました。」
「予が知らぬとでも思うか。この愚か者!!」
「何のことでしょうか?」
「ギルドから帝国宛に金貨50枚の請求。知らぬとは言わせぬぞ?」
くそっ、ニーナのやつ。
「それに、お前たちは浮かれて任務を遂行せずに遊んでいたらしいではないか。どういうことは説明してもらおう。」
「それは…その。」
「ほう。言い訳なら聞かぬぞ。金貨50枚おぬしらが払うんだろうな?」
遊んで金貨は殆ど残っていない。くそっどうしてこうなった。
「いえ…後日支払わせて下さい。」
「それに帝国騎士の誇りの剣はどうした?」
「それは…」
クソッ、だから。クロスナーに回収しろと言ったんだ。
「そうか。エドガー、とんだ期待外れだ。のうルノガーよ。」
「返す言葉もありません。」
「カノンがいればこんな事になっていなかったものを。勝手に追放した責任は重いぞエドガー。」
なんでカノンの評価が高いんだ。俺様が団長だぞ。
「お言葉ですが、王様。騎士団の団長は俺です。カノンがいなくてもやっていけます。」
「もうよい。黙っていろ。お前たちに一週間の謹慎を命じる。しっかりと反省するが良い。次、任務をミスしたら貴族は剥奪だ。言っている意味はわかるな?」
王様に逆らうことは出来ない。了承して、謁見の間を出た。
「なんだってんだ。団長。」
クロスナーが代表して、俺に言う。
「父上に掛け合ってみる。こんなの納得できない。金貨50枚なんてもう持っていない。」
俺様だって不安だ。こんなことになるとは思ってもいなかった。
暗雲が立ち込めてきた。今日は実家に帰らないほうがいい。シイナの家で慰めてもらおう。
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