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団長エドガーの災難Ⅶカノンの足取り

 エドガーたち騎士団一向は帝国からの連絡で、サンタルークのギルドにカノンが現れたと知った。


 急いでサンタルークのギルドに向かったが、どうも一度顔を出しただけですぐにいなくなったと言われた。


 俺様が聞き込みなんて地味な行為をしたくはないが、しょうがない。このままだと団長の地位さえ危うい。カノンはここにいたんだ。


 商人がカノンの顔を見てノーズ鉱山に興味を持ったと言っていた。


 間違いない。カノンはノース鉱山に行ったんだ。


 さっそく向かおうとするが、どうも教会の連中が俺たちが来たことをどこからか聞きつけて、接待をしたいと言われた。


 「クロスナーも乗り気だし、鉱山に夜に向かうのは嫌だ。教会のせっかくの誘いだし鉱山には明日行こうか。」


 皆頷く。


 鉱山の方から花火も上がっている。俺たちに運気が回ってきた。俺たちがサンタルークに来たことを知って、祝福してるんだ。


 クックック。帝国は俺様に跪けば良いんだ。




 朝まで呑んで皆もぐったりしているが、もう昼過ぎだ。そろそろ鉱山へ向かおう。


 カノンいや金貨500枚待ってろよ。金貨500枚有ったら屋敷も買えるな。いやそれより女だ。


 馬車で鉱山まで向かう。


 日暮れ前に鉱山の街に着いた。


 「なんだこの街は。酔っ払いばっかりじゃねえか。」


 広場では鉱山の男たちが寝ているのだ。クロスナーが愚痴を言うのも分かる。


 街中が酒臭くて二日酔いの俺様も気分が悪い。


 「さっさとギルドにいきましょう。田舎は臭いし汚いわ。」


 シイナは良いことを言う。さっそくギルドに向かおう。


 冒険者ギルドに入り受付に尋ねる。


 ニーナというのか。茶髪で俺様好みのいい女だ。俺様の女にしてやりたい。


 「ここにカノンはこなかったか。」


 「いえ。知りませんが、冒険者ならダンジョンに行っているかもしれません。」


 「そうか。カノンという悪党を探していてな。こんな田舎に居るとは思えないが、調査のために来た。後ろにいるお前たち何か知らないか。」


 後で椅子に座っている冒険者にも尋ねる。


 皆、俺様を睨んでいる気がするが、気のせいだろう。なにせ今初めてあったのだから。


 「ニーナ、俺たちはダンジョンに行きたいのだが、誰か案内してくれる冒険者はいるか。」


 「分かりませんが、鉱山の街はそこまで冒険者の数も多くないので、募集していただくしかないですね。」


 チッ面倒だな。


 「フラメル後は任せた。俺様とシイナは街の聞き込みに行く。」


 フラメルは嫌そうな顔をするが、シイナと街に出る。聞き込みも大事な仕事だ。


 「おい、そこの男、カノンは知っているか。」


 「いや、知らねえな。」


 何人にも聞き込みをするが、カノンを知る者はいない。念のため、写真も見えるが心当たりはないみたいだ。本当にこの鉱山に来たのだろうか。


 チッ。あの商人。鉱山にいなかったら焼きを入れてやる。


 「おい、そこの偉そうな男。カノンを知っているか。」


 「あ。誰だお前、知っていたらなんだ。」


 ビンゴだこいつは知ってやがる。


 「俺様たちは帝国の騎士だ。カノンを探しにこんな辺鄙なところまで来たんだ。」


 「そうか。悪いことは言わねえ。この街から出て行け。」


 そう言うと、男は去っていった。


 何なんだこの街は。昨日の花火は俺様を祝福してた訳ではないのか。


 何も情報を得られなかったな、ギルドへ戻ろう。


 「冒険者は見つかったか。」


 フラメルに尋ねるとクビを横に振った。


 冒険者を雇おうとしたが、誰も来ないらしい。


 「どういうことだ。ニーナ。」


 ニーナに詰め寄る。


 「皆、忙しいということではないでしょうか。」


 「ふざけるな。帝国騎士の依頼だぞ。ギルドは断る気か。」


 「いえ。そんなことはありません。皆、手一杯なんです。」


 「明日まで待つ。明日まで募集が来なかったら直々にお前がダンジョンを案内しろ。光栄だろ。」


 

 ニーナの返事を聞かずにギルドを出る。今日は英気を養うために飲むか。


 街に一軒しかない飲み屋に入る。


 皆で呑みながら話をする。


 「お前たち、カノンを捕まえたら金は何に使うか決めてんのか。」


 クロスナーが答える。


 「当然だ。団長。高い家に女。そして酒だ。」


 クロスナーは単純だ。


 「そうか。それはいい。はやく親の七光りの雑魚カノンを捕まえよう。明日、ダンジョンで会えるはずだ。」


 今日の酒はうまい。カノンを捕まえることを考えると笑いが止まらない。


 「兄ちゃんたち、悪いが出ていってくれ。店じまいだ。」


 店員のおやじが俺たちに言う。


 「ふざけるな。まだ呑み始めたばっかりだぞ。」


 「痛い目にあいたくなかった今すぐ出て行け。やるなら相手になるぜ。」


 そう言うと、他の席で飲んでいる男たちも立ち上がりこちらを睨んでいる。


 「なんだよ。分かったよ出れば良いんだろ出れば。お代は払わねえぜ。」


 「お前たちのお代なんて要らねえ。さっさと出て行け。」


 なんだってんだ。この街は。挙句の果てに予約していた宿屋の宿泊も断られた。


 こんな田舎の宿が満室な訳がない。


 食い下がって、案内されたのは馬宿だ。


 馬はいないが、獣臭い。


 こんなところで寝れっていうのか。俺様は帝国騎士団長だぞ。


 シイナが文句を言うが街の外で野宿するよりはマシだ。俺様だって嫌なものは嫌だがしょうがない。


 寝ていると、誰かに石を投げられた。おちおち寝てられない。


 なんだってんだこの街は。こんな田舎まで来てやってるのにこの仕打はなんだ。


 教会がない街は治安が悪くて困る。


 こんなことになったのも、すべてカノンのせいだ。

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