episode8
「博多ラーメンってさ、実際どうなんだよ?」
僕は食べ物に関して、特に麺類においては、
興味があるたちである。
ちゃんぽんを置き去りにして悪いのだが、
「おぉ、それを聞くとは、やっぱ駒乃はトンコツ好きなのか?」
「まぁ、好きだな、でも、麺類ならば何でも好きだぜ!」
僕はノリノリに答えてみせた。
確かにトンコツのこってりとした肉汁のギトギト感がたまらないのもそうなのだが、なんと言ってもやはり、しょうゆラーメンのさっぱりとした美少女に例えれば清楚系的な……。
沖田はその辺はやはり、神妙な顔をして、
テーブルを叩いて、
「否、それは断じて否!だろうが!」
沖田が熱くなっているのは
他に見たことがなかった。
いつもは気だるげな、
だらしないイメージしか持ってない奴だとばかりに、
それを本人に言ったら、怒るだろうから、
そっとしておこう。
「ラーメンとは乃ち、博多にしかあ・ら・ず!」
格言のように見えない文字を並べていく様は漫画みたいだった。
お店の人もクスクスと笑っている。
「落ち着け沖田、麺が冷める」
やっと、周りのことに気づいた沖田は
「おっ、そうだな、でも、俺はこってり派閥の人間だから、駒乃もハッキリとしたタイプ持っといた方がいいぜ」
「そうなのかなぁ~」
僕は少し、考え込む。
自分が坂道を走破したいという願望
もある種の拘りかもしれない。
言うなれば、走り屋として一般道をドリフトしたりして、
伝説の仲間入りとか、そんなことをしてみたいのだ。
僕は、あの漫画のイニシャルdに憧れた。
だけど、
それは無理な話だ。
「どうしたんだ、駒乃?」
僕の方に手をヒラヒラさせる沖田、
意識でも失ったのではないか?
というような心配そうな顔をしてきたので、
「あっいや!大丈夫だから、そんじゃ帰るか」
「そっ、そうか……」
当然、僕は、大丈夫じゃない、
僕の願望は親に迷惑をかけたりするから、
もしかしたら、それは命に関わることでもあるから、
でも、
「よし、エンジンかけるぞ」
ぶっ飛ばすことはしない、
けれど、車を運転するのは好きだから。
今日も車を走らせる。




