episode7
「ぷはー、うまいな、ちゃんぽんは!」
沖田は満足そうな顔をしている。
「だろ、長崎をなめるなよ!福岡県民!」
沖田は福岡出身で、長崎に一人で越してきた。
「そうだな、嘗めておったぞ、ただし」
一旦誉めて、次は反撃の構えを見せる沖田のニヤリとする顔は
むしろ、トレードマークと言っていいと思う。
「博多ラーメンも嘗めてもらっちゃ困るぜぇ」
定番!だなと突っ込みをいれたいが、そうするとなると、
ちゃんぽんも同じように定番じゃないかという結論に至る。
だけど、、本場のうまさはちゃんぽんでも証明しているため、
きっと、博多ラーメンも本場であるからこその上手さがあるかもしれない。
思わず、舌なめずりをしてしまいそうになる。
溢れる肉汁とすべてを失ったときに、汁のみなったとしてもなお、頼む替え玉の二度目の幸せは計り知れない。
「なぁ、沖田」
「おっおう、どした~?」
僕の顔があまりにも星のような輝きを放っているからなのか、
少し、のけぞる沖田、引いてしまってるな。
けれど、博多ラーメンへの愛を伝えるためには必要だ。
「長期休暇になったらさ、博多ラーメンが美味しいところ教えてくれよ!」
「おっおう……おう!お前もラーメン道を極めてみるか!」
沖田も最初は困惑していたが、
僕のラーメン愛が時間差で通じたのか、同じく目を輝かせて、
ラーメンの美味しいところをおすすめしてくれるようだ。
僕の孤独の休暇の過ごし方も悪くはないが、
グルメを求める同志が増えて、腹も満足している。




