episode3
坂道を登る、そんなときに専門用語を並べ立てて、
苦しむのなら、頭を使わせるよりも、使わない方がいい。
とっくに辞めてるよ。
昔からそうだ、ルールを守るのが苦手なのに人から得意だと言われるのは、
走らせる、軽自動車、本当は普通自動車である、走り屋の車に乗りたかった。
漫画に出てくるようなもの、例えばトヨタのハチロクだったり、スバルのインプレッサとか、その時代であれば、走り屋として活躍していたかもしれない。
けれど、僕は、女にモテるために始める訳ではない。
走る理由は単に、車が恋人だから。
さっき、からかった兄貴は女だろというが、僕は、違う。
難しいなぁ世の中、書きかけの漫画を改めて初めて迷走するような気持ちだ。
おそらく、これは本人にしかわからない悩み、静かなエンジン音、坂道を走る車と感じる、風、されど、理想とはうまくいかない現実の人生。
颯爽と走りたい、だけれど、峠では走ることはおろか、規制されていく世の中、きっと、こんな深夜に走るのも迷惑なことだとは知っているから。
高速道路を走っても、きっと馬鹿にされる。
僕は、そんな勇気さえも持ち合わせていない。
モジモジとしているのがつたわっているのか、
今日の走りは無情であった。




