episode2
「ありがとうございましたー」
安心安全なオバチャン店員の元気な声を後にして、
鐘をカランカランと鳴らす扉をあけ、フンガーハットを後にする
フゥー食った食った。
そういえば、フンガーってのはドイツ語で空腹とか、お腹すいたとか、だったよな。
生活のなかでの語学、
話して、使ってみたいけど、
兄貴や母親からはなに、言ってるか?わかんねぇー!とか、言ってたな。
父はインドネシアとか、マレーシアとか、オーストラリアとか、海外に赴任している。
僕の父も、ダイハツの会社で海外赴任している。
時々、帰ってきては旅の思い出とでも言わんばかりの写真を見せてくれたり、時々、よくわからないインド像を置いていったりする。
でも、まぁ父は父で元気なようで、安心する。
煙草を除けばだけどね、
「なんで、辞めないのかしらねー」
「ストレス貯まるもんだよ仕事ってのは?
母ちゃんも知ってるだろ」
兄貴はご飯を食べながら、仕事の辛さを語る。
母さんはため息をつく。
「慎史あんま、無理せんごとな」
所々、僕らの会話には長崎弁が入るもとい、九州弁が入る。
「まぁ気長にやっとるよ、はぁ、大学生ってのはいいよなぁ、なぁ史朗」
僕は、少し、顔を背ける。
「兄さんも兄さんで大変なように僕も、大変なんだよ」
僕は、少し、照れ臭い、正直、弟よって呼ばれた方がいいけど、
それも、少し、照れ臭い。
照れ臭さの連続、昔からそうだ、兄弟ってのは、
血ってのが繋がってるからこその気恥ずかしさと気難しさ。
赤帽子と緑帽子のようにお互い息のあったコンビネーションが全国できたらみんな、赤と緑の服着ているのか?
と言われたら違うだろう。
「なんだ、顔を赤くして照れてんのか?」
「いや、照れてねぇーよ」
「もしかして、これか?」
兄貴は僕の前で右手で小指をたてて
「いや、いねぇーよ!」
「そうか、残念…………」
しょぼくれる兄貴、
「ちょっと、部屋に上がるわ」
僕は、一人、二階にある自室に向かう。
車……僕にとっては車が恋人だ。
だけれど、それ以外に興味なんてない。
「専門知識もないのになぁー」
なんで、僕が車が好きなのか?
それは知らない。
考えるだけで、僕は、立ち止まってしまう。
理解されづらいのかもしれない。
そうやって、ブレーキをかけてしまう僕が嫌いだ。




