episode13
「最近はどうだ、勉強」
「まぁ、ぼちぼち」
ダイハツ兄弟はコンビニへと向かっていた。
暗い夜道はなんだか、不気味ではあるけれど、
明にとっては、別の不安が襲っていた。
勉強よりも、気になること、
それが走り屋として一般道でレースをしたいという願いが、
彼にはあった。
されど、それは簡単には叶えられない。
それを要はどうすればいいかでしどろもどろになっていた。
頭を抱える明を見て、信治は言った。
「なんか、悩みでもあるのか?言ってみ、恋の相談でも何でもござれだ」
「まぁ、別に悩みというわけでもないんだがよ」
月を眺める。
明は、過去の走り屋たちの映像を知らない。
知っているのは、漫画とかアニメだけ、
毎回のごとく注意書きには、
(危険な運転辞めましょう)というようなことが書いてある。
前よりも厳しくなった、峠を走ることも、
その原因は、誰かの悲しみを引き起こしたから、
それが危険運転だと分かっている。
だからこそ、満たされない夢というもの、
「僕は、走り屋になりたいんだ」
明は言った。
自分の夢を、自分の想い描く夢を、
走り屋という夢を、
しかし、その夢は怪物であり、
現実の道で走れば、危険が伴うもの、
それは、高速道路だって、同じことだった
「そうか、」
「だけど、無理だよ、だから、もう、ドライブでいいんだ」
「いや、視界を広げてみれば、それだけじゃないと思うぜ」
「えっ?」
明は信治を見る。
何を言ってるんだという目で見ていた。
「いや、なんていうかな、走り屋は一般道だけが?走り屋っていいうわけでもないんだぜ」
「例えば?」
「そうだな、そうだ!休日、サーキットへ行ってみろ!そこに答えがあるぜ」
「サーキット……か」
自分一人だけだと考えもしなかった。
というような顔をする、明、
次第に雲が晴れたような顔に変わる。
「そうか!」
「見つかったようだな」
「まぁ、ありがとう、兄貴!」
「そんじゃ、改めて乾杯」
「いや、まだビールとかは家で飲もうよ」
「そうだったな!」
心の中のモヤモヤが消えて、
明の気持ちは明るくなった。




