episode12
「継続は力なりですよ」
ユーチューバーHIKAKINがプロフェッショナルで言っていた。
駒乃は、その言葉に感銘を受けていた。
「スラムダンクみたいだ」
たしか、そんな言葉だったというのだから、
本当は言葉の言い回しは違ったかもしれない。
記憶便りで、はたまた、不確実性のある、人間の記憶であるから、完全には信用できないかもしれないが、確か、そんなことを言っていたことを覚えている。
しかし、駒乃はガックリと肩を落とす。
自信がないわけではない、可能性の問題だ。
「ずっと危険運転しろっていうのか……」
ガレージを出る駒乃、と言っても整備ではなく、
ミライースのエンジンルームを眺めていて
ポツリと独り言を言った。
「どうしたんだよ、明?」
「うわっ」
誰かに肩に手を置かれて驚く駒乃は、
思わず誰か?と顔を振り向く。
「兄さんじゃないか」
「よっ、仕事から帰ってきたぞ!」
ダイハツの販売店で販売員を勤めている駒乃の兄、信治だった。
兄のことは嫌いではなかった。
だけれど、浮かばれない弟の顔に、
悩みでもあるというのは兄の目からしても明かだった。
「ちょっとコンビニ寄ってくるわ、明はなんか?飲むか」
「乗せてくれよ兄貴」
「わかったよ」
そして、ダイハツ兄弟はコンビニへと車を進める。




