ギフト
累計PVが8000超えました!有難うございます!
ブックマーク登録も本当感謝感謝です!目指せ3桁!
「それに別に気味悪がっているわけではありません。それどころかギフト持ちに出会えるなんて光栄だわ」
え?
ギフト・・・持ち?
《マスターのスキルのことです。この世界ではギフトと呼ばれています》
俺はあの女神少女から直接スキルを与えられたが、この世界でもスキル持ちはいるんだな。
《はい。過去にもシャルワーナ様がこの世界の一部にスキルを与えています。その数は減りましたが、今でもスキル持ちは存在します》
そうなのか。
どういったスキルがあるんだ?
《その問は権限により制限されています》
肝心な時に使えねーのは変わんないな・・・
《・・・》
センセイが答えてくれないならティアに聞いてみよう。
「ギフト持ち?」
「やっぱり知らないのですね。ギフトは女神様より与えられた力だと言われています。大変珍しい力のことで、私も文献でしか見たことはありません。どれも驚異的な力だと記録されています。ルイ君に出会うまでは正直半信半疑でした」
俺が聞いた内容とほぼ同じか。
センセイは今も存在していると言っていたが、かなり珍しい存在のようだ。
「ギフトはどんな力があるんですか?」
センセイが答えてくれなかった質問をティアに投げかける。
「ギフトに関しては私も専門じゃないから有名なものしか分かりません。ひとつは【重複魔法】というギフトがあります。これは魔法を同時に発動できるギフトです。ルイ君もこのギフトである可能性が高いです。私を含め魔法はひとつしか発動できませんから」
重複魔法?
効果は似ているな。
何が違うんだ?
《重複魔法は同じ魔法を同時に発動させるスキルです。自動処理が出来ないため能力者の消耗が激しく、異なる魔法は同時に発動できません》
なるほど。
俺の並行思考の下位スキルのようなものか。
俺の場合どんな魔法でも同時発動できる。
細かい操作をしなければほぼ自動的に魔法が維持できるもんな。
《その理解でほぼ間違いありません》
何となく分かったよ。ありがと。
「確かに似ていますね。他には何があるんですか?」
「知っているものは少ないですが・・・」
と言ってティアは知っているギフトを俺に紹介する。
成長補助:通常よりも成長率が上がる。
体力向上:体力が通常より高くなる。
武器適正:特定の武器の技術が高くなる。
魔力向上:魔力が通常より高くなる。
属性強化:特定の魔法属性魔法の威力が高くなる。
いろいろ紹介されたが俺が興味を持ったのはこれらだ。
でも圧倒的な力でもないように思うが実際どうなんだ?
「そんなにすごい力なんですか?」
ついそんなことを口走ってしまう。
「すごいなんてものじゃないわ!」
ティアが直様すごい剣幕で俺の言葉を否定する。
「魔術士でも剣士でもある程度成長したら能力の差は縮まります。才能の差があっても方法によっては打ち勝てる場合がありますが、ギフトの差は次元が違います。一対一ならほぼ勝負は変わらないでしょう」
考えてみれば確かにティアの言ってることは正しい。
同等の技術を持っていれば魔力や体力の差はより大きく影響するだろう。
更に一つの魔法に対していくつもの魔法を返されたらたまったものじゃない。
まさにスキルもといギフトは神からの贈り物だということか。
「ギフトに関する資料は非常に少なく、分からない事の方が多いです。記録もどこまで正確かはわかりません。ルイ君の力をもっと教えてくれませんか。特にマナの吸収に関しては聞いたこともありませんので、詳しくお願いします」
説明か。
女神の誓いもあるし話しても大丈夫だろう。
それにもうここまで知られてしまったし、ティアは以外と受け入れてくれている。
隠すよりもある程度打ち明けて訓練した方が力も伸びるだろうしな。
加護のことや本当のスキルは言わない方がいいだろうから、少し誤魔化すか。
よし、話そう。
俺はティアに自分が【重複魔法】と【魔力回復】のギフト持っているとを告げ、実演しながら説明する。
「まずは重複魔法から行きます」
火水風土の魔法をいくつも発動させ、それぞれが同時に異なる動きをする。
ティアは重複魔法と並行思考の違いを知らない。
少し疑問に感じていたようだが、そのまま信じてくれた。
「夢を見ているようね・・・ これなら制御が早く身につくのも納得だわ」
次に俺は魔力回復について説明した。
それで分かったことがある。
この世界ではマナの存在を知っている。
しかし自分自身でそれを感じたり使用したりはできない。
その代わり魔道具を使ってなら利用することができる。
ミュールまでの道にあった魔除け装置などがそれだ。
だからこの力もティアはギフトの力であると勘違いしてくれた。
「マナを吸収して魔力を回復させるなんてこの目で見ないととても信じられなかったでしょうね。まさかこれだけ規格外の力を持っていたなんて」
「はい・・・ごめんなさい」
ティアは俺の力に驚いてはいたが、なんとか受け入れてくれたみたいだ。
秘密を打ち明けると俺自身も少し楽になった気がする。
ただやはり自分でもチートだと思うからつい謝ってしまった。
「謝ることはないわ。私も研究者としては嬉しいんです。でも君に魔法を教えるのは骨が折れそうですね」
ティアが気合を入れる。
これでようやく本格的に魔法の訓練を始められる。
まずは新しい魔法を覚えて、どんどん力を付けていこう。
より充実した生活を送れるように。
――ティア視点――
まさかルイがここまで規格外だったなんてね。
私はなんて運がいいのかしら。
幼少時の魔力増強について研究するつもりだったけど、あのギフトまで持っているとは。
くっくっく、探究心が疼く。
それにしてもこの目で実際に見ないと信じられなかったわ。
魔法を同時に発動できるなんてまさに魔術士の夢。
そりゃこれだけ早く魔力制御も身につくわ!
さらにマナを吸収して回復するですって?
彼は簡単に言うけど、どれだけすごいことか分かってるのかしら。
通常魔力回復は容易ではない。
一日掛かることもざらだ。
彼のように簡単に回復できるなら、訓練時間は大幅に増える。
これが戦場ならどれだけの力を発揮できるやら。
少し嫉妬しちゃうわね。
いやいや、そんな彼を研究できることを喜ばなきゃね。
それに彼の秘密はまだまだこれだけじゃないと思うのよね。
ギフトについても不明な点は多いし。
やることは尽きないわね。
しかも彼に合った授業プランを考えるのも簡単じゃないわ。
これから忙しくなるぞー。
あぁ、なんて幸せなんだろ・・・
お読み頂き有難うございます。
次話は明日投稿予定です。
それにしてもテンポ悪いし、ネタが安易すぎる・・・
何かいいアイディア、アドバスがあれば是非感想欄へお願いします!