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エルフの里の事件簿  作者: 秋津 久寝
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第四話 「違う、私はやっていない‼」

だんだん、投げやりになりつつも完結に向かって、気合を振り絞り執筆‼

乳神いじりが続きそうだったので、自重せねば…。

「くそ…乳神め‼」

あんまりな夢を見たために、乳神に対し悪態をつきつつもリリアは、朝のお祈りの際に、きちんと人形にも願いを込める。


「大地の神様、どうか、私をお救いください…。お願いします…。」


一言ずつに思いを込めて、ゆっくりと言葉にする。



「おはよう、リリア。」

「あ、おはよう、お母さん。」

「どうしたの?随分と顔色悪いわね?」

「あー…うん、ちょっと、悪夢を見たの。」

「あらあら、大変ねぇ。どんな夢だったの?」

「え⁉えーと…その、忘れちゃった、な。なんか、とりあえず、嫌な夢を見たっていう感覚があるというか。」

「あら、そうなの?」


そういうとリウムは、頭を傾げつつ、朝食の準備に戻った。


それから、数日、悪夢を見ることなく、何も変化がなく過ぎていった。


が、ある日の事であった。

リリアの身の回りで、変化が起きた。


それは、日課をこなした午後であった。

いつものように、里の中でダークエルフ化の解決方法を探しているときのこと。

家の裏の神樹のあたりを何の気なしに歩いていると一人の少女を見つけた。

その見た目は、ただの幼女であったが、エルフ特有の耳ではなく、人間と同じような耳であった。

また、その服装はこのあたりで見るものではなく、人間の着るドレスのようにエルフの服装に比べると比較的華美なものであった。

白を基調としつつ赤で縁取りをされ、緑のアクセントが入っている。


「あなた、どこの子?」


リリアが声を掛ける。

すると幼女は、ゆっくりと視線をリリアへ向ける。


「…森。」


一言だけそう答えた。


「も、森かぁ。えーと、どっちから来たの?」


「あっち?」


幼女は疑問調で北を指した。


「あっちかぁ。お母さんやお父さんは?」


「一人で来た。」


「おうちは遠いの?ちゃんと帰れる?」


「大丈夫。すぐ帰れる。」


「そう、ならいいんだけど…。」


ふと、リリアが誰かこの子を保護できる人物がいないか辺りを見回すと、幼女は消えていた。


「え⁉ちょっと、お嬢ちゃん⁉」


慌てて辺りを探すが、幼女は跡形もなく消えてしまった。


「うーん…なんだったの、今の…?まだ、夢でも見てんのかな、私…。」


その晩、久しぶりに乳神が夢に出てきた。


「リリアよ…。」

「うーん…誰よ…。」

「私だ。乳神だ…。」

「…おやすみなさい。」

「寝るな‼」

「お引き取りください。」

「断る‼」

「では…死にさらせぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」


リリアは全力で声のする辺りを殴りつける。


ガッ‼という鈍い音と衝撃がリリアの手に感じられた。


「やったか⁉」

「ち、乳神様…ひど…い…です…。」


聞こえたのは、胸の妖精の声であった。


「ちぃ‼身代わりか‼」

「ふっふっふ、リリアよ甘いのぉ~。」

「うるさい‼」


再度、声のする方へ蹴りを放つ。


リリアの足に、腹部への攻撃が成功した確かな実感が感じられる。


「ぐっは…‼カハ…カハ…。」


声が出せずに悶える声が聞こえる。


「よし、やったな。この乳神め‼」

「はっはっは、残念‼それは胸の妖精だ‼」

「なん…だと‼」


ようやく、乳神が姿を現す。

その手には胸の妖精を掴んで、盾のようにしていた。

妖精の顔は青ざめ、涙で目が潤んでいた。

そして、恨みがましく乳神を睨んでいた。



「あー…リリアよ。」

「なに?乳神。」

「助けなさい…。」

「え?」

「この胸の妖精の愚行を止めなさい…。」

「止めたら、なにかいいことあるの?」

「胸を元に戻してやろう…。」

「本当に?」

「もちろんである。我は、乳神ぞ?」

「だって、妖精ちゃん。」

「まー、神であることは否定しません。」

「ふぅん。個人的には、どっちでもいいんだけどね。」

「一生、その胸のままで良いというのか⁉」

「だって、今いるここ、夢でしょう?現実に戻らないと意味ないもの。」

「…ぐっ‼」

「『ぐっ‼』って何よ⁉実際には戻せないってこと⁉」

「え、そうなんですか?乳神。」

「そそそそそんなこと、あああああるわけなななな…‼」

「あー、そうなんだ。所詮、神様っていっても乳神なんて下品な神じゃ、神格が足りないか。」

「ムキー‼なんという言い草だ‼拗ねるぞ‼」

「ご勝手にどうぞ。あ、妖精ちゃん、やっちゃえ。」

「あ、はい。」


そう言うと妖精は乳神の乳首に洗濯ばさみを付ける。


「はぅん~‼」


乳神が悦びの声をあげる。


「うざい。」


間髪入れずに、リリアが乳神の頭を殴る。


「あ、リリアさん、ついでにこれ、引っ張ります?」

「いいの?やったぁ~。」


と、リリアは妖精から乳神の乳首につけられた洗濯ばさみにつながった紐を受け取る。

そして、受け取ると同時に全力で引っ張る。


「いぎゃあああぁぁぁ‼も、もげー…‼もげるー‼」


乳神の甲高い叫び声が響く。



一通り、乳神に体罰を与えた辺りで、リリアが口を開く。


「さて、今日は何の用で出てきたのかしら?」

「う…乳首絶対、取れた…。」

「おい。」

「はい‼今日はですね、リリアさんに朗報です‼」

「…何?」

「大地の神が私に接触してきました。」

「へ?」


予想外の返答に戸惑うリリア。


「えーとですね、今回のリリアさんのダークエルフ化についてです。」

「大地の神様は、なんて⁉」

「そのですね、なんといいますか…。」

「もったいつけるな、早く言え。」

「はい‼結論で言いますと、大地の神がリリアさんの胸に嫉妬したので、ダークエルフ化させたということです‼」

「はぁ?」

「それでですね、一応、落ち着いたのでリリアさんの胸をどうにかしろと。」

「うん?私の胸と大地の神様になんの関係があるの?」

「あーそのー…単刀直入言うと大地の神様は胸がお淑やかなので…。」

「で、どうにかできるの?」

「すいません、できません…。」

「役立たず。」

「ぐっは‼」

「えー…乳神、普段から『胸に関して私に不可能はない‼』とか豪語してるのに。」

「げふ‼」

「ただの白豚じゃない、乳神。」

「あぁ…じゃなかった、がは‼」

「まぁいいわ、このゴミはほっといて。話を整理すると、大地の神様が、私の胸に嫉妬してダークエルフ化させたということなのね。」

「その通りでございます。」

「黙れ。余計なこと言わずに、私の質問にだけ、答えなさい。」

「はい‼」

「で、乳神なんだから、なんで私の胸が大きくなったかは分かるんでしょうね?」

「てへ?」


乳神の反応にリリアは無言で、無表情のままに拳を放ち続ける。


そろそろ乳神の顔の輪郭が変わってきた頃に、再び、リリアは乳神に詰問する。


「で、原因は?」

「すいません、本当にわかりません…。」

「はぁ…。もう、帰っていいよ。むしろ、消え去れ。」

「あ、はい…。」


そして、徐々にリリアの意識が薄れていく。


気が付くと朝になっていた。


「はぁー…大地の神様の嫉妬かぁ。」


ようやく、一歩前進したことに安堵しつつも、大地の神の嫉妬と胸の肥大化の解消の手がかりを探すことに対する疲労感がリリアを襲った。




その日、リリアは両親、長老に夢での出来事を要約して伝えた。


結果、現状ではどうしようもない、という答えだけが導かれた。

ひとまずは、大地の神様に対し、どうにか嫉妬の炎を鎮めていただくために、捧げものをすることや人形に対する対話、大地の神との交信に重きを置くこととなった。

胸の肥大化については、見当が付かないために、関りの在りそうなことの拾い出しをすることとなった。



長老の家からの帰り道、再び幼女と出会った。


「あ、お嬢ちゃん‼」


幼女は、リリアに気が付くと無表情のような顔を向ける。

そして、リリアに近づき見上げる。

リリアは幼女の視線に合わせて身をかがめる。

無言のまま見つめあう二人。


と、おもむろに幼女がリリアの胸に触れる。


「ん?どうしたの?」


リリアは幼女が母親とはぐれて、寂しさゆえに胸に触っていると思い、幼女を抱きしめる。


「…ん。」


幼女が声を漏らす。


「どうしたの?不安になっちゃったのかな?」


リリアの問いを無視し、リリアの顔と胸を交互に見る。

そして、抱きしめられた状況から脱し、そのまま長老の家のほうへと走り去っていった。


「長老のところの知り合いなのかな?」


そんなことを考えながら、リリアは幼女を見送った。



ようやく、事件解決に道筋が見えた‼

果たして、幼女の正体は一体⁉

2018年7月29日

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