第3話
暇だ。
ご飯は毎食いきなり机に現れるし、食べて寝て本読んで生活にはもう飽きた。
それもそのはず、だって引きこもって1週間もたったのだから。
そして魔法というものに興味が出た。
魔法を使われることには慣れた。
義母にはよく重力魔法というものを使われていたからだ。
そもそも魔力がどういうものなのかさえ書いていないぞこの本。
そんな時だった。
「教えてやろうか?魔法」
背後から声が聞こえた。
サッと振り向くと男が立っていた。
扉も窓も鍵が閉めてあるこの部屋にだ。
「誰」
「俺はシャルド。闇の精霊獣だ」
精霊獣って何のことだろうか
「ねぇ、精霊獣って何」
「嘘だろ。この世に知らねぇ奴がいるとはな」
「何か問題でも?」
「いや、問題はねぇけどよ。まず、精霊王って知ってるか?」
「馬鹿にしてる?それくらい知ってる」
「その精霊王と俺達精霊獣は同格だ。ようは生まれた本来の姿が人型か獣型かってだけだ。他に違いがあるとすれば精霊王は1つの属性しか持つことが出来ないが、精霊獣は2つ以上の属性を持つことが出来る。まぁ、極稀にしか生まれないけどな」
興味が全然わかない話を長々と話されても……。
「ふーん」
興味ない話への相槌としてはこれくらいが精一杯だ
「で、だ。決まったか?」
「何が」
「もう忘れたのか…。俺に魔法を習うかって話だよ」
すっかり忘れていた。
どうしようか。
どうせすることないし外に出れるかもしれないからいいか。
「習う」
「よし、決まりだな。これからよろしくな」
「ん、よろしく」
こうしてシャルドという精霊獣に魔法を習うことになった。