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厄災令嬢と精霊王  作者: 渚紗
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第2話

私はレティリア・ラリッツ。


ラリッツ侯爵家の長女で、5歳の子供だ。


私は今まで義母に暴力を振るわれ続けた。


しかも服で隠れるところにだ。


理由は知らない。


いつからかも覚えてない。


だけど、お父様が私を愛してくれているということを心の支えに生きてきた。


そして魔力測定の日、私が触れた途端宝玉が割れたことで強大すぎる魔力を持っていると知り、会場の子供達は「割れた!」と言って騒ぐ中、保護者達の足は震え、「化け物だ!」と騒いだ。


お父様なら私は化け物じゃないと信じてくれるはずだ。


そんな一筋の希望に縋りお父様の方へ走り出した。


だが、お父様は足が震えていて、化け物を見るような目で私を見ていた。


お父様が怯えているのを見た途端足は止まり、右側にある会場の出入り口に向かって無我夢中で走り出していた。


その出来事が広まり、私が強大すぎる魔力を持っていることを会場に居た、居なかった関係なく全ての人が知り、怯え、背を向け始めた。


強大な魔力を持っていると分かった途端手のひらを返し始めたのだ。


親友と言っていた人達も「ごめんね。お母様とお父様がレティリアにはもう会ったらいけないって言い出したの。だからもう会えないの。」と言い出した。


部屋に帰る途中にお父様に会ったので「お父様も私のこと化け物だと思っていますか?」と聞いてみた。


期待はしていなかった。


だが、お父様は返事すらしてくれなかった。


優しくしてくれていた侍女や使用人、溺愛と言ってもいいほど愛してくれていたお父様も私を避け、会ったら会ったで私に背を向けて歩き出す。


強大な魔力のせいで全てを失った。


何故私は強大すぎる魔力を持っているんだろう?


強大すぎる魔力なんて一度も望んだことなどなかったのに。


お父様がよく読んでくれた本の強大な力を持つ英雄達は本当はこんな感じだったのかもしれない。


だが、私には無理だ。


こんな手のひら返しを受けて耐えきれるような精神を私は持っていない。


所詮5歳の子供だ、お父様からだけとはいえ5年も愛されていたのだ。


いきなり背を向けられて生き続けるなんて想像するだけで辛い。


私には耐えきれなかった。


心の支えが唐突になくなったのだから。


だから自分の部屋に篭ることにした。


誰にも会わなくて済むように。


これ以上希望に縋り絶望しないように。

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