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第二十四話 冒険者パーティー

「インフィニティーとかどう?」

「ダメです! もっと可愛い名前にしましょう!」

「じゃあ、ユニコーンは?」

「ん~、なんか違います!」


 現在、アルフ達三人は冒険者ギルドでパーティー名を考えていた。

 受付嬢によると、パーティー名は必ず必要らしい。

 色々案を出すが、エマにことごとく拒否されてしまう。


「じゃあエマはどんなパーティー名がいいの?」

「えっと……きゃぴきゃぴガールズとかどうでしょう?」

「ダサすぎる! それに僕がパーティーにいるのにガールズってどういうこと!?」


 僕にセンスがあるとまでは言わないが、彼女はネーミングセンスがなさすぎる。


 エマはテーブルの上で頭を抱え込んで悩んでいる。

 

「じゃあどんな名前にすればいいんですか~!」

「分かんない! ソニア、君も参加しなさい!」


 そう言って指を差すが、当の本人は興味がないと言わんばかりに眠そうな顔をしている。


「パーティー名なんて何でもいいでしょ?」

「じゃあソニアはパーティー名がきゃぴきゃぴガールズになってもいいということか!」


 きゃぴきゃぴガールズのソニアが強力な魔獣を圧倒する、というのも面白いかもしれない。

 僕は嫌だが。


「それはさすがにアレだけど……じゃあ、強者喰らい……ストロングイーターとかどう?」

「おお! カッコよくていいね!」

「可愛くはありませんが……悪くないと思います!」


 エマも賛成したようだ。

 ネーミングセンス的には僕の案のインフィニティとそんなに大差ないと思うんだが。


「アルフさん、ソニアさん。試験結果が出ました」


 そう言って受付嬢がこちらに歩いてくる。


「それではランクを伝えますね。試験の結果、アルフさんはCランク、ソニアさんはBランクになりました」


 それを聞いて周りの冒険者達がざわめく。

 エマも興奮したようにピョンピョンとはねている。


「お二人共凄いです! BランクとCランクだなんて!」

「そんなに凄いのか?」

「はい! いきなりCランクでも凄いのに、Bランクだなんて普通あり得ないです!」


 周りの様子を見るに、あまり前例がないのかもしれない。


「当然ね。むしろアルフもBランクでいいと思うのだけど」


 ソニアからの信頼は厚いようだが、今は確実にソニアに注目が集まっている。

 技量的にもソニアの方がランクが高くて当然だ。


「アルフさん、ソニアさん。冒険者カードを用意したので受付にお越しください」


 受付嬢にそう言われて受付に向かう。

 そして、受付で二枚のカードを渡された。


「こちらが冒険者カードになります。依頼を受けるときや換金の際はこちらをご提示ください。なお、こちらは身分証明証にもなりますので、必要に応じてご使用ください」


 冒険者カードには名前や種族、職業、ランクなどが書かれている。


「それと、こちらは貨幣で、銀貨5枚です。装備購入などにお使いください」


 冒険者登録をするだけでお金が貰えるのか。


「皆さんはパーティーを組まれますか?」

「はい」

「それではパーティーについてご説明いたします。ソロでは自身のランクの依頼までしか受けられませんが、パーティーでは基本的に平均ランクの一つ上の依頼まで受けることができます。また、パーティー専用の依頼もございます。」

「なるほど」

「アルフさん達のパーティランクは……Cですね。なので、Bランクの依頼まで受けることができます」


 自分はC、ソニアはBランクだ。

 そうなるとエマはCかDランクということだろうか。


「エマってランクは何だっけ?」

「私はDランクです! あの……Dランクだからパーティーに入れないとか……ないですよね?」

「もちろんそんなことはしないよ」

「それなら良かったです!」


 エマのアホ毛がピョンピョンはねている。

 あのアホ毛、感情で動いているのか?


「アルフさん、パーティー名はどうなさいますか?」

「……ストロングイーターでお願いします」

「分かりました」


 受付嬢が紙にメモを取る。


「これで説明等は終了です。依頼はあちらの掲示板にあるので希望の依頼を受付にお申し付けください」

「はい、ありがとうございます」


 説明が終わり、僕達は掲示板に向かう。

 掲示板にはかなりの数の依頼が貼られていた。


「魔獣討伐とかそんなのばっかだと思ってたんだけど、意外と色々あるな」


 薬草採取や行商人の護衛など、それっぽい依頼もあるが、力仕事の手伝い、ペット探し、子供の世話など、冒険者がやるべきなのか疑問に思う依頼も多かった。

 掲示板に目を走らせていると、とある依頼が目に映った。


「これは……指名手配か?」

「最近は怪しい行動をする人が多いらしいですよ。裏の組織が動いてるっていう噂があるくらいですから」


 エマはここで暮らしているだけあって俺やソニアより世間の情報に詳しいようだ。

 もしかしたらこの都市に入るときにあった荷物検査もそういうのに関係しているのかもしれない。


「アル、とりあえず魔獣討伐の依頼にしない?」

「えっ!? いきなり魔獣討伐ですか!?」


 ソニアの言葉にエマが驚く。


「いや、最初の依頼だし薬草採取あたりがいいんじゃないか?」

「アルがそう言うならそれでもいいわ」

「よし、じゃあそうしようか。と言っても、今日は依頼を受けないけど」


 ソニアはアルの言葉を理解しているのか、何も言わないが、エマは不思議そうな顔をする。


「アルフさん、じゃあ今日は何をするんですか?」

「今日は装備を買いに行こう」


 そう言って三人は冒険者ギルドを出ていった。

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