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第八話 村での出会い

 ソニアがいなくなってから数日が経った昼頃。

 アルフは一人で考えごとをしていた。


 確実におかしい。

 彼女はまれにどこかに行ってしまうことがあるが、長い間帰ってこないのは初めてだ。


 ソニアはルイザに買い出しをよく任される。

 この場所は森に囲まれているが、意外と近くに村があり、ソニアはそこで必要なものを買う。

 森の中をとある方向にしばらく進むと小さな道にたどり着き、その道をたどるように歩いていくと村につく。

 数回だけその村には行ったことがある。

 とりあえずその村に行ってみよう。

 そう考え、アルフは家を出た。


 森を抜け、獣道のような細い道をまっすぐ進む。

 やがて、いくつかの建物が見えてくる。

 村についたようだ。

 村の中に入っていき、とりあえず話を聞けそうな人を探す。

 数回しか来ていないから村の人は僕のことを覚えていないだろうが、ソニアはここに何回も来ている。

 村人から話を聞けば、何かしら情報を得られるかもしれない。

 そんなことを考えていると、外を歩いていた一人の男が声をかけてくる。


「おう、あんた。ルイザさんのところの子じゃねえか。何か用かい?」


 突然声をかけられ、少し驚く。

 まさか向こうから声をかけられるとは思っていなかった。

 意外と覚えられているものだ。


 この人はルイザのことを知っているようなので、ソニアのことを知っている可能性は高い。

 この人にソニアのことを聞いてみることにする。


「すみません。ソニアを見ませんでしたか? ここ数日ずっと家に帰ってきてなくて……」

「ソニアちゃんか? 確か数日前に来てたな〜。」


 記憶を探るようにしながら男が答える。

 やっぱりソニアはこの村に来ていたのか!


「おっ! ちょうどあそこにいるおっちゃんと色々話してたぞ。」


 そう言って村人は指を指した。

 その先には、買い物をしていたのだろうか、食材の入った袋を持つ男がいた。


「ありがとうございます!」


 あの人にも話を聞いてみよう。

 そう思い、袋を持った男に向かって歩き出す。


「あの、すみません。」


 いきなり声をかけられたことで村人は少しビクッとした。

 驚かせてしまっただろうか。

 しかし、自分には聞かなければならないことがある。


「ああ、ルイザさんのとこの子か。どうしたんだい?」

「数日前にソニアと話していたと聞いたのですが、彼女がどこに行ったか分かりますか?」


 話しかけられた村人は少し考えるような仕草をした。

 何か知っていそうだ。


「ああ、ソニアちゃんね。なんかダンジョン行くとか言って馬を貸してくれって言われてね。いつも世話になってるから貸したな〜。」


 ダンジョン!?

 そんなところに行ったのか!?

 ダンジョンについては前に聞いたことがある。

 なんでも、魔獣が集まるような危険な場所だとか。


「あの、自分にも馬を貸して頂けないですか? ソニアのところに行きたくて!」

「いや〜、今は厳しいな〜。ソニアちゃんに一頭貸しちゃったからね。他の人に当たるといいよ。」


 それもそうだ。

 既に一頭ソニアに貸しているのに、もう一頭貸すのは難しいだろう。


「あ……はい。すみません。突然変なことを言って。」

「全然大丈夫だよ。困ったことがあればいつでも頼りなさい。」


 親切な人だ。

 前に来たときも思ったが、ここの村人は優しい人が多い。

 そんなことを考えていると後ろから声をかけられた。


「やあ君。ダンジョンに行きたいのかい?」


 後ろを振り向くと一人の青年が立っていた。

 腰に剣を装着し、ところどころに金属のプレートを付けている。

茶色の髪は短く切られており、その顔はまるで自信に満ち溢れているようだ。

 知らない人だ。

 なぜ急に声をかけてきたのだろう。


「あの、あなたは?」

「おっとすまない。俺はジェイク・イリック。冒険者だ。」


 冒険者……初めて会った。

 腰に剣を付けており、確かに冒険者っぽい気もする。


「今はいないがパーティーを組んでいてな、パーティーでダンジョンに向かっている途中なんだ。それでたまたまさっきの話を聞いたってわけだ。これもなにかの縁だ。どうだい、一緒に行かないか?」

「え、いいんですか?」


 突然のお誘いに少し戸惑う。


「ああ、構わないさ。君、名前は?」

「アルフと言います。」

「そうか。アルフ、よろしく。」


 ジェイクは右手を出してくる。

 僕は彼の手を握り、握手をした。


「はい、よろしくお願いします!」


 他にあてもない。

 とりあえず彼についていくことにしよう。


 



 ジェイク達は元々翌日に出発する予定だったらしく、それに合わせて連れて行ってもらえることになった。

 一度家に戻り、身支度を済ませる。

 正直何が必要なのか分からない。

 ダンジョンは洞窟にあるそうなのでとりあえず食料が必要だろうか。

 水は魔法でなんとかなりそうだ。

 多少の服とかも必要だろう。

 他には何が必要だろうか。

 ジェイクさんに聞いておけばよかった。

 

 翌日の早朝、ジェイクと合流すべく、アルフは村へと向かった。

 村に着くと、そこにはジェイクの他に三人ほど冒険者っぽい人がいた。


「おお! 来たかアルフ! こっちはもう出発の準備はできてるぜ!」

「ジェイク、あいつが一緒に来る奴か。まだ子供じゃないか。」


 ジェイクの隣に立つ男が言った。

 全身を皮の装備でまとっている黒髪の青年だ。

 口元をスカーフで覆っており、ジェイクと違って金属の装備は来ていない。

 なんというか、少し感じの悪い人だ。


「まあいいんじゃないの? 面倒事が増えるのはいつものことじゃん。」


 二人の後ろにいる女性が言った。

黒い髪を短く切り揃えており、ローブをまとっている。

 彼女もどこか自信があるような、そんな雰囲気を感じる。

 まだよく分からないことだらけだが、これだけは言える。

 美人だ。


「そうだな。もしものことがあれば俺が守ってやるから安心していいぞ。」


 女性の隣に立つ男が言う。体のほとんどを金属装備で覆っている大男だ。

 でかい。

 めっちゃ強そう。

 この人に任せれば全て解決するんじゃないか?


「ああ、アルフ、紹介するよ。このマッチョがアーロン、ローブの女がフィオナ、根暗そうな男がルーファスだ。」


 ジェイクの言葉が癇にさわったのか、ルーファスはジェイクを軽く睨む。


「根暗そうってなんだよ。」


 これが冒険者パーティーか。

 どの人も冒険に慣れてそうな雰囲気がある。

 みんな凄そうだ。


「皆さん、よろしくお願いします!」


 この人達と一緒なら安心してダンジョンに向かえそうだ。

 こうしてダンジョンに向かう旅が始まった。

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