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設定資料:用語説明と王子妃教育

【教育】

〖一般教育〗

 西方世界各国では社会制度のひとつとして初等教育が広く実践されている。多くは国家事業であるため庶民でも頑張れば払える程度の安い教育費で教育を受けられるため、結婚して家庭を維持できる程度に経済的体力のある一般家庭であれば、子供が適齢になれば教育機関(学校)に通わせるのが一般的。

 初等教育は大半の国で6歳から開始され、3年間にわたって一般常識や読み書き、社会制度などを学ぶ。その後希望する者は中等教育に進み、やはり3年間にわたって魔術や法術の基礎知識や最低限の職能知識、歴史などを学ぶ。初等教育と中等教育は期間が連続するため、都合6年間はほぼ毎日学校に通うことになる。

 教育が庶民にも浸透しているのは、この世界の大半の人が魔力を持ち魔術を扱えるため。社会常識や善悪の観念を教えないと魔術がらみの犯罪が激増してしまう。


〖高等教育〗

 6歳から12歳まで(カリキュラムは11歳まで)で初頭〜中等教育を終えた子弟を対象にした高等教育も存在する。それが「大学」で、大半の国に専門の教育機関として存在する。期間は13歳からやはり3年間、成人年齢を超えて16歳まで(カリキュラムは15歳まで)を全寮制の大学宿舎で過ごすことになる。

 ただしこれは国の教育ではなく、あくまでも「更なる学びを求める学徒のための私的な学び舎」である。中等教育を終えてから約1年間の猶予があるのは受験に備えての勉強期間であり、受験料や合格した場合の学費その他の費用も当然全額自費(とは言え基本的には親の負担)であり、カリキュラムについて行けなければ留年も退学も当然あり得る。

 ガリオン王国のルテティア国立学園はこの「大学」のひとつで国内最高峰の学び舎。


 そんな高等教育(大学)の中でも明らかに別格と言えるのが、アルヴァイオンの首都ロンディネスに所在する〈賢者の学院〉である。

 学院内は3つの“塔”に分かれていて、“知識の塔”は魔術および高度な学術知識、“奇跡の塔”は法術の専門知識および世界の成り立ちや各地の神話・伝承を学び、そして“力の塔”は帝王学と正義の在りよう、力の使い方などを学ぶ、将来の国王や勇者を育成する専門機関であり、3つの塔いずれも毎年数百〜数千人が入塔する。

 つまりこの世界の知識階級の頂点に立つ者を育成するのが賢者の学院であり、毎年世界中から選りすぐりの天才たちがこぞって入塔を目指す。


 ちなみにシャルルは学力が足らずに賢者の学院への進学(というか受験自体を)を断念したひとり。ブランディーヌは学院に合格できる学力を有していたが婚約者(シャルル)に付き合って国立学園進学を選択した。

 レティシアは“知識の塔”首席(入塔から卒塔まで)で、同世代最高峰の能力の持ち主。


〖入学・卒業スケジュール〗

・6歳花季下月上週:『初等部入学』

・7歳花季上月中週:進級試験

・7歳花季上月下週:進級

・8歳花季上月中週:進級試験

・8歳花季上月下週:進級

・9歳花季上月中週:初等部卒業試験

・9歳花季上月下週:初等部卒業

・9歳花季下月上週:『中等部入学』

・10歳花季上月中週:進級試験

・10歳花季上月下週:進級

・11歳花季上月中週:進級試験

・11歳花季上月下週:進級

・12歳花季上月中週:中等部卒業試験

・12歳花季上月下週:中等部卒業

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

・13歳花季上月中週:大学入学試験

・13歳花季上月下週:合格発表

・13歳花季下月上週:『大学入学』

・14歳花季上月中週:進級試験

・14歳花季上月下週:進級

・15歳花季上月中週:進級試験

・15歳花季上月下週:進級

・16歳花季上月中週:卒業試験

・16歳花季上月下週:卒業試験合格発表

・16歳花季下月上週:大学卒業



【年齢加算】

 誕生日を祝う習慣はあって正確な誕生日も記録されるが、年齢加算に関しては「年が明けた時点」でなされる。ガリオンの一部地域などのように「誕生日祝賀は数年に一度まとめて行う」などという場合もあり、年齢加算と誕生日(およびその祝賀)は別物だという意識が比較的浸透している。

 つまり「大学」の場合、13歳の花季に入学して翌年、14歳に上がってから進級する。3年生はみな15歳で、年が明けて16歳になったところで卒業、という流れ。

 なおこの世界の成人年齢はほとんどの国で一律に15歳である。貴族など上流階級であれば15歳の年の自身の誕生日前後に御披露目(デビュタント)を迎えるのが一般的。御披露目は作中では西部ガロマンス語系ガリオン語に従って「デビュタンテ」と表記されている。


【言語】

 作中のルビは基本的に西部ガロマンス語系ガリオン語で表記。他の国なら言語表記が変わる。例えば王太子妃ジェニファーの名前は西部ガロマンス語系アルヴァイオン語のままだったりする。

 ちなみにブロイスだと北部ゲール語系ブロイス語。ゲール語系は国が変わってもほとんど変化しないので、周辺のアレマニア公国やヘルバティア共和国、アウストリー公国などでもほぼ通じたりする。



【馬車と脚竜車】

・馬車

 この世界の「馬」は(たてがみ)馬、風馬(かぜうま)象馬(ぞううま)などいくつか種類がいて、鬣馬は美しい毛並みで見栄えがいいので、貴族など上流階級の近距離移動手段として鬣馬に牽かせる「馬車」がよく使われる。そのほか鬣馬は上級将校の軍馬としても使われる。

 ちなみに風馬はいわゆるサラブレッド。上流階級の趣味として風馬を所有してレースを走らせ賭けをする「(くら)べ馬」があり、ルテティアにも競べ馬用のレース場が複数ある。象馬は荷馬車用の大型種で、走るのは遅いが頑丈で比較的安価なため、街中での荷駄役や農村部での労働力として重宝される。

・脚竜

 「亜竜」の一種で、この世界の一般的な労働用家畜で見た目は恐竜。草食種、肉食種ともにいくつかの種類があり、飼い慣らして「脚竜車」を牽かせるのに用いられるほか、軍隊で騎乗用(騎兵)としても用いられる。

 脚竜車は都市間など比較的長距離を移動する用途(旅客用、荷駄用など)で用いられるが、脚竜の見た目が大きくて無骨なため上流階級が街中で使うことはあまりない。


・値段比較

風馬 (超高い)

鬣馬 (高い)

脚竜 (ピンキリ)

象馬 (比較的安価)




【王子妃教育の内容】

詳細に設定したので公開しておきます。


・一般教養(座学)

高位貴族に施される一般的な貴族教育

・語学(座学)

現代ロマーノ語、西部ガロマンス語、北部ゲール語、南部ラティン語、古代ロマヌム語、および西方世界の語学史

・国史(座学)

・世界史(座学)

・国内政治学(座学)

国内の政治体制、各種政策の詳細など

・国内地理(座学)

・世界地理(座学)

・外交(座学)

他国要人との付き合い方、交渉のテクニックなど

・王族教育(座学)

ガリオン王家の歴史、血縁関係、歴代王の事績など

・貴族教育(座学)

貴族名鑑、主な貴族家の歴史、婚姻関係、派閥関係、他国の貴族家との繋がりなど

・毒物知識(座学)

主要な毒物の名称、成分と作用、対処法、解毒のやり方と手順など

・礼儀作法(座学/レッスン)

・ダンス(レッスン)

・テーブルマナー(レッスン)

・音楽(座学/レッスン)

西方世界音楽史、実技指導(ピアノ/フルート/ハープ/ヴァイオリン)

・体術(実技)

・武術(実技)

剣/槍/短剣/暗器

・騎乗術(実技)

馬/脚竜

・魔術(座学/実技)

西方世界魔術史、加護ごとの加護魔術、その他無属性魔術、など

・閨事(座学/実技)


【王太子妃教育の内容】

※事実上の王妃教育

※王子妃教育に加えて

・調理(座学/実技)

基礎的な調理法、各種アレルギーの種類、対処法、判別とアレルギー物質の抽出法、摂取した場合の症状と対処法、など

・毒物知識(実技)

毒物の摂取、意識のあるうちに行える対処法、意識のあるうちに何を為すべきかの取捨選択、など

・国内政治学応用(座学)

王政における王家の役割、門閥貴族の抑え方、非常時の王権について、いざという時の責任のとり方、など

・国際政治学応用(座学)

他国との力関係、友好国と敵対国(潜在的なものを含む)、他国との交渉に必要な知識、など

・国内情勢学(座学)

国内各所の生産状況、財政状況、治安状況、魔獣や魔物の分布図、など

・近衛指揮(座学/実技)

近衛兵や親衛騎士の指揮に関する基礎知識

・王族秘教育(座学)

王族内機密の教授。王妃または王太后が担当

・国秘教育(座学)

国家機密の教授。慣例として宰相が担当

・王城地理(座学/実技)

基礎的な王城の構造、隠し通路、抜け穴、非常時の侵入ルートおよび脱出ルート、など

・帝王学(座学)


【王子教育】

※王子妃教育に加えて

・軍隊指揮(座学/実技)

国軍部隊の指揮に関する知識と実践

・毒物知識(実技)

・国内政治学(座学)

・国際政治学(座学)

・帝王学(座学)

・王城地理(座学/実技)

・王族秘教育(座学)

・国秘教育(座学)


【側近教育】

※王子妃教育に加えて

・軍隊指揮(座学/実技)

・国際政治学(座学)

・王城地理(座学)


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― 新着の感想 ―
[一言] 更新&完結、お疲れ様です。 繰り返される『喜劇』(^^;; 颯爽と現れた我らが『女史』^^ 小ネタ集 女史の名前が出た時はクスッとしましたね^^ 某クイズ、一回参加してみたかったなぁ・・…
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