虹色に輝いたリンゴ
初めての投稿になります。
よろしくお願いいたします。
現在、浮島 隆太(45歳)は絶賛放心中である。
倉庫の常駐警備で夜勤明けの為、日勤の仲間と交代をし、制服から楽な格好(無地のパーカー、ジーンズ、スニーカー)に着替え、色々と私物の入った肩掛けバッグを斜め掛けし、帰宅の途につくため駐車場に向かっていたはずなのに、いきなり周囲は夜のように暗くなり、静かで厳かな雰囲気の森の中にいて、目の前には、小柄な隆太(163㎝)が、のけぞるように見上げてみても、どこまで高さがあるのか解らないほどの輝く大木があったためである。
口をだらしなく開けたまま、輝く大木を見上げていると、どこからともなく爽やかな風が吹き、見た事の無い色とりどりの葉がさらさらと舞落ち始め、隆太を包むように周りを彩ると、虹色に輝いたリンゴのような果実が隆太の鼻にあたった。
「いてっ」
痛みで我に返った隆太は、鼻を押さえながら、落ちてきた果実を見た。
その瞬間に耐えがたい空腹を感じた隆太は、普段なら落ちてきた果実なんか絶対に口にしないはずなのに、虹色に輝いている果実を無意識に拾い、口にしていた。
むさぼるように果実を食べ、一息ついたとき頭の中に声が響いた。
『世界樹ヨリ報告、虹色ノ実ノ摂取ヲ確認シマシタ、コレヨリ7色のアップデートヲ行イマス
①全属性魔法スキル付与
②健康体スキル(自己修復付き)付与、年齢45→15ニ最適化
③言語理解スキル付与
④修理スキル付与
⑤改造スキル付与
⑥魂武器スキル付与
⑦ナビゲータースキル付与』
声の終了と同時に、味わったことのない頭痛と体中の筋肉と骨が引きちぎられるような痛みが始まり、耐えきれずに倒れ込んで気を失った。