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椿【冬の詩企画】

作者: 蒼山詩乃

薄命に終わる理の中で

埋もれた心の臓を掬い

紡ぎあげた糸をむすんで

一つの螺旋を描いた

永遠に続く眠りまでは

決して絶えぬようにと

千羽の鳥が吊るされた空

安寧の終焉までもう少し

積み重ねた年月は未だに

私を見捨ててはいないけれど

庭の見える部屋から見れば

赤い椿が咲いている

空蝉のわが身にとって

静寂を映し出した祈りは

罪を重ねてきたかのように

その心を浮かばせる

遠くで鐘の音が聞こえ

日常の一端が沈みゆく

白い息さえ闇に溶けて

目を閉じた

本作は「冬の詩企画」参加作品です。

企画の概要については下記URLをご覧ください。

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2157614/(志茂塚ゆり活動報告)

なお、本作は下記サイトに転載します。

http://huyunosi.seesaa.net/(冬の詩企画@小説家になろう:seesaablog)


今年はこれでおしまい

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― 新着の感想 ―
[一言] 死のテーマは寂しいですね。 周りは生き生きとしていても死へ向かう道がそれらを陰らせ、曇らせてゆく。 その一瞬の光の中を大事に生きていって欲しいです。
[良い点] なんともいえず味わい深い詩ですね。 心臓の手術を受けられ、延命された方の心情なのでしょうか。(比喩なだけかな?) 千羽鶴からは少しでも生きて、という誰かの願いが。ご本人は安寧の終焉を待ち望…
[一言] 尽きゆく命脈の臨場感をよく書かれていると思いました 冬は「死」「別離」「終焉」をイメージさせる季節 寒空に吸われていく命のはかなさ…心に染み入ります
感想一覧
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