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しまのう〜作業着と青い夏〜  作者: じゅうたん
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プロローグ

あたたかな目で見守って下さい。

感想お願いします。

 クローゼットに流行りの服と一緒に存在する地味な作業着。

 世間の普通高校に通う高校生からしたら異様な光景かもしれない。

 しかも、授業で木に登るなど机で証明やら見たことのない記号の数式と格闘する高校生には、想像出来ないと思う。

「カラビナよし。命綱よし」

 こんな言葉も、普通高校の高校生は口にすることはないだろう。

 木の上で装備を確認する小野 将太は、そんなことを思いながら、慣れた手つきで作業を進める。

「小野!何だその蚊の鳴くような声は」

 教師の朝田 大地の指摘に思わず笑ってしまった。

「蚊って鳴くのか?」

 隣で装備を確認していた篠原 宗介が、将太に聞いてきた。宗介の言葉に思わず力が抜けてしまう。

「降下点よし」

 将太が降下点の安全を確認するとすぐに二人で降下態勢を整える。

「降下」

 将太の掛け声を合図に一緒に宗介も木から降下を始める。

 しかし、まだ、木の上で声がする。その声の主は、クラスのマドンナ的な存在の白石 鈴。勉強も出来、運動神経も良い白石だが、唯一手先だけが不器用だ。

「カラビナよし」

 将太達から大きく遅れて白石が降下態勢をとる。

「到着。離脱よし」

 素早く地上に降りた宗介が先に地面で命綱を外し合図する。

 将太も地上に降りようと思ったその時、将太の脇に垂れる白石のロープが微かに異様な動きをしたのを見逃さなかった。

 確かにそこまでは覚えている。

 気付いたときには、将太の右手が白石の左手をガッチリと掴んでいた。

 何だこの漫画みたいな状況。

「不器用過ぎだろ」

「ごめん」

 将太が言うと白石は咄嗟に謝った。その声は、誰かの言葉を借りると蚊の鳴くような声だった。

 将太は態勢を整えてから、ゆっくりと二人で地上に降りる。

「大丈夫か?白石」

 珍しく走って来た朝田。朝田は結構、足は速い。

「落ち始めた時は、どうなるかと思ったけど、小野サンキュー」

 朝田が笑顔で親指を立てる。

「カッコ良かったよ。将太」

「だろ〜」

 命綱を外した将太に、笑顔で近づいて来た宗介とハイタッチを交わす。

 クラスメイトは、将太が自前の瞬発力で白石の左手を掴んだと思っているらしい。

 しかし、本当は、将太のロープの機材にロープが引っかかって止まった白石を、ただ支えただけ。

 このことを知らないクラスメイトには、黙っておこう。

 そうすれば、クラスでの将太の株価は上昇するから。

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