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*REST-4 the truth side*結郁
佑希くんから聞いた、徠梦のこと。
それはあたしの想像も軽々と超え、
徠梦がどんな家庭で今迄育ってきたのだとか、何を想っていたのだとか。
複雑に糸は絡まっていた。
" 徠梦を抜かさなかった訳じゃない。
怖かったんだ。徠梦が、俺を嫌うんじゃないかと思って。だってそうだろ?
アイツは、憎くて憎くて堪らないと思う。
けど。...けどやっぱり、 "
夕日に照らされて
微風が彼の髪を揺らし
あたしのスカートを撫でた。
" 俺はそんな徠梦に、どうしても伝えたかった。
お前の努力は、テストだけが証明してくれる訳じゃないんだって。
もっと、ほかにもたくさんあるだろって。 "
歪んだ、その精神に考えに。
順位が、全てだと。
純粋にそれを信じて疑わなかった徠梦を
助け出せるのも。
渡り合えるのも。
彼――紺谷 佑希くんしか居ないんだろう。
それは、幼なじみだから
なんて理由なんかじゃなくて。
きちんとした、強い彼の決意と信念があった。