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*REST-3 the truth side*結郁
" 俺、ソレ聞いた時さ
正直驚いた。 "
笑いながら、だけどその目は細めることなんかなく、やっぱり遠くを見詰めたままだった。
" アイツの家、結構成績とかに煩くてさ。
姉さんが居るんだけど、物凄く優秀なヒトで。
きっと、ああいうヒトが世の中で云う天才なんだなって思った。"
――だからさ。
先ほどまで笑っていた彼が、一変して真剣な表情になり空気も張り詰めた気がした。
そういうデキるヤツが、姉だと
自然と比べられるんだよな。
そこに、例え悪気は無かったとしても、だ。
アイツは、どんな気持ちで
毎回の試験に臨んでるんだろう
そこに、俺なんかじゃ想像も出来ない様な
過酷で複雑な何かがあるんだろうなって
そう思う
一通り話終えて、彼はその真剣な表情を崩しいつも通りの、彼になっていた。