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*REST-2 the truth side*結郁
だけど、中等部3年生の期末考査の頃
佑希くんは徠梦を抜き、
一人首位の座に着いた。
それはさほど驚くことでも無いのかもしれない。
でもどうしても気になったあたしは。
以前から心に抱いていた疑問を払拭するように彼に聞いた。
" どうして今迄、徠梦を抜かなかったの "
佑希くんなら、徠梦を抜かすことなんて容易いだろうと思ってた。
徠梦の場合も同じく。
そんな優秀な彼等を言い分けるとするならば。
徠梦が秀才型なら
佑希くんは天才型だと思う。
その疑問を聞いた彼、佑希くんは、表情一つ変えずにどこか遠くを見詰めたままだった。
" 順位こそが、自分の努力を証明してくれる唯一のモノ
前に、アイツが言ってたんだ。 "
静かに、言葉を紡ぐ彼の表情は
何とも言えない憂いさを帯びていて
あたしはそれらの言葉一つ一つに
聞き入っていた。