1/6
1.
世界は神の箱庭と、呼ぶ者がいる。
多くの国が凌ぎを削り、様々な人種がひしめき合っている。
ひとつの方向性もなく、混沌としたまるで玩具箱のような乱雑さ。
思いついては作り、作っては放置し、その時の気分次第で世界を作り上げていく神。
己が作るだけではなく、それぞれが切磋琢磨し、競い合い、淘汰していく世界を作り上げているのだ。
気紛れな神はまた、公正明大でもあった。
技術や知識が偏らぬようにと、世界の狭間に亀裂を入れ、そこへ学び舎を作ったのだ。
世界、あるいは狭間の揺籃とも呼ばれる学び舎にはありとあらゆる知識や技術がある。
そこで学べる条件は、至極単純なものであった。
得たものを活かし、実践できる者。
ただそれだけだ。
種族、出身国、身分階級、性別、すべてにおいて制限はない。
そうして条件を満たした者の許へ入学許可証が届くのだ。
ここにまた、新たな物語が始まる……




