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(御魂を奪われた・・・)
朴黎都は気が付いた時、「やられた」と思った。
あのまま行くと、女の御魂となるところだった・・・いや?待てよ?
どうもおかしい・・・。
立ち上がった黎都は、目の前に鏡があることに気づいた。
(げ?!なぜに、白衣??)
すると、鏡の中からいきなり手が出てきた。
「伏せろー!!!」
またもや大きな声がして、反射的に黎都が伏せると、目の前に大きなかなづちが見えた・・・と思ったらそれは・・・。
(こ、これは・・・)
「伏せろって言ってんだろうが!!このばかやろうが!!」
がちゃ、ぢっ、じぇ、変な音が響いた瞬間、黎都は吹き飛ばされた。
と、思ったら、「ナイスキャッチ」と背中から支えられた。
「マジか・・・今のは・・・」
「そうだ、お前の古いギターだ!!」
黎都が振り返ると、黒づくめの女が立っていた。
「ホームページをどうするか?」
一日目のお座敷を、大盛況に終わり、まかないたちもみな帰る頃、座敷の片隅で、皆伐と花と蛍と静香が話し合っていた。
舞妓の一人が、「熱燗がいいじゃろか?」と聞いて来た。
「いや、帰ってよろし」と、皆伐が言うと、少し憮然とした顔で、「ほな、帰りますけ」と言った。
お座敷の間に花と話そうとしていたが、舞妓が、やれおちょこがないなど、新しいとっくりを出して欲しいなど、いちいち花のところにくるので、話にならなかったのだ。
「お酒がなかなかぬけないじゃけ」
静香は、河原町では、舞を踊ったり、詩吟を披露したりで忙しくしていたのだが、祇園に来てからは、御相伴にあずかる方に忙しかった。
「黒澤様ができるじゃないやろか?」
蛍が言うと、「それはあまりやらん方がいい」と、皆伐が答えた。
「ほなら、お花ちゃん!」と、静香が言った。
すると蛍が、「うるさいわ!酔っ払い」と、静香の膝を叩いた。
そこで、すかさず皆伐が咳払いした。
「今は、派手にやらんじゃけ」
声に驚いて、みな、座敷に入って来る黒澤を見た。
「俺と皆伐でやる」
黒澤の言葉に、皆伐が、「ええ?」と訝し気な声を出した。
「今は、カラスのメンバーを集めとるじゃけ」
黒澤は、静香に包みを渡した。
「え?なにじゃけ?」と、静香は驚いた。
「お前の注文じゃけ。先に渡しとく」
静香は歓喜の声を出した。
「おおきに、おおきにじゃけ、黒澤様」
包みの中には、スマートホンではなく、アイフォンがあった。
「最新式じゃけか?」
蛍がのぞきこむと、静香は、「そやけ、音楽でも聞かねば」とアイフォンを手に取った。
「充電器がなかったじゃけ」
黒澤の言葉に、静香は、「ええ?どうするじゃけ?」と聞いた。
「明日、渡す」
「わかりやした」
静香が不満そうに言うと、蛍が、「おかみ?もう少し、謙虚にならんと」と言った。
そこで突然花が吹きだした。
黒澤が、「今夜は、皆伐を泊めるじゃけ」と花に言う。
静香が何か言いたそうにしていたが、皆伐が立ち上がると、あきらめたように、「はぅ」と声を出した。
向こう三軒両隣、外の闇は、まるでインターネットのようだった。




