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君は死なない  作者: 秋元智也
48/53

48話

静かな時間はそう長くは続かなかった。


明日、兄の永人が出所してくると弁護士から聞かされたのだ。


「雅人、どうしたの?」


「綾……どうしよう、兄さんが……」


あの日、大掛かりなネット書き込みで、世間を惑わせた張本人

永人が帰ってくるのだ。


実の弟を殺したら賞金を出す書き込み、世間を騒がせたのだっ

た。

何事もやっていい事と、悪い事がある。

いくら兄弟でも、いくら憎んでいても、人を使って虐めさせた

り、殺させようとするのがゆるしがたかった。


「大丈夫だよ、俺に任せて」


「待って、何をするの?」


「何もしないよ、雅人を傷つけさせない。それが俺が生きてる

 意味だから……」


「嫌だよっ、綾がまた居なくなったら……」


嫌な予感は結構当たる。

だから今回も……


何を言われようと、上田を一人では行かせられなかった。


「お願い……僕も連れてって……」


「それはダメだ、危ないだろ?俺が大丈夫だから…ね?信じて」


「……うん」


そう言って、永人に会いに行ってしまった。

その日は一日中仕事に集中できなかった。


全ての予定をキャンセルして自分も向かう出来だろうか?


「社長、お客様ですが……アポ無しなのでどうしますか?」


「あ、帰って……いや、会うよ」


いつも上田がついてくれている。

だから、自分にも自信が持てた。


今日だって自分の代わりに永人に会いに行ってるんだ、こ

こで弱気になってたら、上田に顔向けできない。


そう思うと、新規の会社で傘下に入りたいと申し出してき

た企業に役員に会う事にしたのだった。


アポが取れている会社は上田が安全だと判断した会社だ。


そして、アポ無しという時点で、疑うべきだった。

だが、今は上田のいない事への不安からか、雅人は別の秘

書を連れて会う事にしたのだった。


「会議室を一室開けておいてくれる?」


「はい、わかりました。そちらにお通ししておきます」


「うん、ありがと」


そのまま、社長室を出て会議室に向かったのだった。





その頃、刑務所を出た永人を待ち受けていたのは、上田

だった。


「あれ〜うちの出来の中悪い弟は来なかったんだ〜」


「何をするか分からないような奴に合わせると思うのか?」


「おいおい、変な言いがかりをつけんなよっ、お前あの時

 止めに来たあいつの友人だっけ?まさか、あいつが社長

 とはな〜、父さんも呆気なく死ぬとは思わなかったぜ、

 いや、違うか………あいつが殺したんだろ?」


「……」


「まぁ、いいや、兄の俺が帰って来たんだから、社長の席は

 もちろん俺のものだよな〜」


「そうならない為に、俺がここに来たって思わなかったのか?」


睨みつける上田に、永人は平然と悪ぶった。





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