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君は死なない  作者: 秋元智也
45/53

45話

表に回ってわざわざ門から入ろうとする上田に、記者の

女が話かけてきた。


「あなたは、霧島社長の右腕の上田綾くんよね?私は、

 ラッキーテレビの安堂美樹よ。よろしくね〜、今日

 はね〜取材で来てるの〜」


「取材の話なら丁重に断りましたよね?迷惑だって気

 づきませんか?」


「あぁ〜、君、イケメンなのに勿体無いなぁ〜、この

 後おねぇさんがいいところ連れてってあげよっか?」


「年増って興味ないんですよね?今、幾つなんですか?」


「なっ………これでも、まだ30代よ?女性に年齢はタブ

 ーだって知ってる?」


「えぇ。知ってます。知ってますけど、礼儀知らずの

 方に礼儀を重んじる必要ってないですよね?」


はっきり言ってのける上田に、イラついたのか帰ると

言い出した。


「ちょうどよかったです。二度と来ないでください。そ

 れと言い忘れたんですが、ラッキーテレビさんでした

 よね?家にまで押しかけて来た事、訴えさせてもらい

 ますので、そのつもりで」


にっこりと見送ると、手を振ってやる。


カメラマンの虚ろな視線に、笑みを浮かべたのだった。


そのあと、さっきまで撮っていたはずの画像をカメラマン

の男は音声と共に車に着くと消していた。

それも無意識の行動だった。


「ちょっと!なんなのよ、あの態度!」


イライラしているのか、キャスターの女性は周りに当たり

散らした。


「早く車を出してよ」


「……」


「もう、ほんとっ、使えないっ!」


都心を走っていたはずの車はいつのまにか道を逸れていく。


「ちょっと、道が違うじゃない!会社に戻ってっていって

 んだけど、聞こえないの?ちょっと、マジでセクハラで

 訴えるわよ?」


「……」


全く聞いていないのか、アクセルを踏み込む。

後ろから男の首を絞めると、急に加速し出した。


そして目の前のガードレールへと激突した。


後部座席でシートベルトもしていないせいか美樹の身体は

フロントガラスを突き破り前へと飛び出したのだった。


数日後、ニュースで取り上げられたくらいでただの事故と

判断されたのだった。


そもそも仲が良くないカメラマンとキャスターであったの

もその理由にもあった。

今回も失踪に続いて、事故のせいで企画自体が流れたらし

い。

ラッキーテレビからの密着取材は完全に取りやめになった

のだった。

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