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君は死なない  作者: 秋元智也
36/53

36話

あの記者と名乗った女の名刺をたどったが、そんな人物は

在籍していないと言われた。


となると、やっぱり八橋の差金と思うべきだろう。


だが腑に落ちない事が多い。

広くもない部屋に盗聴器を2個も仕掛ける意味だった。


一人は八橋だろう。

だったらもう一つは………?


上田はハッと気づくと雅人の兄の部屋に急ぐ。

電気のところに仕込める人物といえば、家にいる人間で

ある可能性が高い。


机の裏の電源に差し込まれていた方は部外者がこっそり

聞く為に置いていったと考えると、家族を疑うべきだ。


部屋の中を探し、机の中、そしてクローゼットの中をも

確認していく。


すると受信機らしきものが出てきた。

それ以外にもナイフやら、ボーガン、そしてモデルガン

なども入っていた。


兄の永人が捕まった時に、部屋は父親が確認させなかっ

たらしい。


これは本当にヤバすぎる。

同じ兄弟なのに、あきらかに殺意がこもっていた。


それから数日、高校に通いながら会社の方にも顔を出す

と言う生活が続いていた。


秘書は派遣された人間で、なんでも出来るほど器用では

なかったが、着実に仕事をこなしていくタイプだった。


仕事ぶりを眺めながら上田も手伝うようになった。


雅人の一番近くで見ていられて、安全を守れる立場と

いえば常に一緒にいる秘書が一番だった。


それに、まだ八橋の件が片付いたわけではない。


あの女と絶対に繋がっているはずだった。

そして、奴の狙いは雅人としか思えない。


「綾〜〜〜。一緒に帰れる?」


「あぁ。すぐにいく」


結局、話は途中で止まってしまったせいか、雅人は何か

言いたげな顔でいつも見てきた。


「今日は俺の部屋で寝るか?」


「なっ……一人で、平気……」


「その割には寝不足で目の下にクマできてるぞ?俺の横

 じゃ安心できないか?」


「そんな事……ない……」


「なら、決まるな!食事食べたら来いよ」


「………うん♪」


昔もそうだった。

一人の時はいつも丸まって寝ていた。

まるで自分を抱きしめるかのような、そんな寝方をする

子だった。


同じ屋敷で暮らしていた時はよく朝、起こしに行くたび

に丸まっていた。


寝相は悪くはないが、なぜか寂しそうだった。


たまに一緒に寝る時は普通に眠れるのに、一人の時だけ

まるまる。


子供ながらに、何かを感じていたのかもしれなかった。


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