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君は死なない  作者: 秋元智也
35/53

35話

さっきの女は会社についての取材で来たと言っていた。

秘書の方からも急遽連絡があって、家で会う事になった

と話した。


「急遽だった場合は会わない方がいい。そもそも家に

 まで来るなんて非常識すぎる。」


「綾……どうしたの?何かあった?」


「それは……いや、雅人には話した方がいいか……」


一瞬、話してもいいのか迷う。

そして雅人をまっすぐに見つめると、じっと眺めた。


「話しても…いいか?前の秘書だった男の事だ。名前は

 八橋健二…弟の名を糸田颯斗同じ高校で自殺した男だ」


「あの人が僕を嫌っているのは知ってたんだ……そっか、

 そう言う事なんだ……それなら恨まれても仕方ないね」


「仕方ないなんておかしいだろ!雅人は何もしてないだ

 ろ?」


雅人は頷くが、それでもどうしても関係ないとは言えな

い気がした。


「本当に関係ないのかな?僕の知らない所で何かが起き

 てる……そうなでしょ?」


「それは……」


「僕に言えない事なの?目の前でいつも何が起きてるの

 か、分からないままでずっと過ごせって言うの?」


「それは……」


「やっぱり…何か知ってるんだね……」


きっと雅人も不安なのだろう。

ずっと雅人を守ってくれている。

そんな事を俺から伝えてもいいのだろうか?


まずは影に聴かなければならない。


そして雅人の後ろの鏡に映った後ろ姿に影が映り込んだ。

そして、ゆっくりと口の前に指をあてる。


シーという仕草に、話すなという意味なのかと感じる。


そして次の行動に驚いた。


机の裏を指差したのだった。

そのあとに、天井の電気を指す。


これはどう言う事だろうか?


「まさかっ……!」


「綾?」


「待って、雅人この部屋って誰か来た?さっきの女だけ?」


「多分……そうだと思うけど…何かあったの?」


「うん。そうだね、何かあるかも……話はちょっと今度に

 なりそうだよ……全く面倒をかけてくれるぜ」


上田は雅人に言って脚立を取ってくると頭上の電気を外

した。

中にあるもので違和感のあるもの……LEDの横に小さなコ

ードが伸びている。

引っ張っても明かりには全く関係ないっぽかった。


それを見せると、影が頷く。


そして今度は机の裏をどかして見てみた。


「雅人、コンセントにこんなもの刺した覚えある?」


「何それ?」


「やっぱりか……この部屋に盗聴器が2個。って事は二人

 が仕掛けた可能性があるって事だな」


驚く雅人に上田は真剣な顔で、電話をかけた。


そのあと、この家全体に盗聴器がないか探す事になった。


至るところに一個づつ見つかった。

唯一2個あったのは雅人の部屋だけだった。


雅人の部屋を知っているのはお手伝いさんや、身近な秘

書なんかも知っていた。


それ以外にも経営を教えに来ていたという男も知ってい

るはずだった。


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