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君は死なない  作者: 秋元智也
33/53

33話

殺意の対象が雅人に行くと、影が始末する。


大体の仕組みはわかったきがする。

でも、それは実行に移そうとした時に何をは察して動き出す

という事だろう。


兄の永人はまだ少年院に入っている。

多分3年から5年は出てこれないだろう。


お金を積めば別だろうが、永人の為に支払う人間なんて滅多

にいないだろう。


だから、今は手を出せない場所にいるので安心だった。


八橋の後釜できた秘書はそう出来る人ではなかったが、当た

り障なく、言われた通りに出来る程度だった。


仕事に支障をきたさなければ構わない。

そう思うと、そのままにした。


あとは、家の周りをうろついている人影だった。


あきらかに八橋健二だ。


このまま肉親の恨みを雅人に向けられるのは困る。

多分、誤解していると思えるだけに、余計に余計な事を増や

すてほしくはなかった。


家の周りの監視カメラに反応があるとすぐに上田は外に飛び

だした。


「八橋健二さんですね?」


「……」


「これ以上人の家を彷徨くようなら警察に言いますが?」


「くっ……あの男は人殺しだ、それでも側にいるのか?」


「はぁ〜、雅人の事を言ってるのか?」


「当たり前だ!あいつ以外にいるかよっ!」


「弟さんの颯斗くんでしたっけ?自殺について不可解だと?」


「知ってたのか……あいつは知らないと言いやがったんだ!

 自分が殺したくせに………」


どうにも話が通じそうになかった。

怒りは雅人の中の影を反応させる。

まずは少し離れた方がいいかもしれなかった。


「まずはここから離れようか……それと、勘違いしてないって

 言えるのか?」


「あいつは……颯斗は……殺されたんだ。それは間違いない」


そんなに自身満々でいう理由がわからなかった。

上田はどうにも、この人物の話をしっかり聞く必要がある気が

したのだった。


「詳しく聞こうか……」


家から離れた場所で八橋は話し始めた。


彼は常に優秀で、それに比べて弟の颯斗はいつも比べられてい

たという。


親は、常に兄の健二を可愛がり、弟はほったらかしだったという。

代わりに健二は弟の颯斗が可愛くて仕方がなかったという。


「だから俺はあいつの親代わりだったんだ……なのにあの日……」


颯斗からたまにタバコの匂いがすることに気づいていたが、たま

たまその日に注意したという。


そこで口論になって、口を聞かなくなったという。

その数日後、屋上から飛び降りたというのだ。


必死に目撃者を探した。

生徒同士の揉め事はなかったのか?

颯斗はイジメられていたのではないのか?


最後に屋上に行った時に、誰か他にいなかったのか…と。


そして浮上してきたのが霧島だった。

ある人物から霧島が屋上に行くのを見た気がすると聞いて

警察にも掛け合った。


が、霧島は中庭で一人でいたという。

そこは校庭で遊ぶ人からも見えていて、その日はずっとそ

こにいたという。


そして、監視カメラに姿が映っていたのだ。

これがあったせいで霧島雅人には手出しが無理だと警察か

ら言われたという。


「そんなはずはないんだ!絶対に何かあるはずなんだ」


「知ってるかい?雅人はずっと一人で誰とも話をしないんだ」


「誰かを脅して従わせているのかもだろ?毎回毎回あいつの

 周りでは事故が起きるんだろ?」


「そうらしいね、でも、それは彼のせいじゃない。周りが彼

 を害そうとするから……だから常に一人になってしまった

 んだよ」


上田はいつも寂しそうな顔で、人が話しているのを眺めてい

たのを知っている。


だからこそ、こういう勘違いは腹が立って仕方がなかった。

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