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君は死なない  作者: 秋元智也
31/53

31話

学年も代わり、二年へと進級を果たした。


あの日から、上田は住み込みで勉強やら、会社経営の事

やらを、一緒に勉強してくれるようになった。


「綾……あのさ、いっそ共同経営って形にした方が良く

 ないか?」


「それはダメだ、役員達の間に派閥ができて、会社内で

 の分裂を招いてしまう。上が仲良いうちはいいが、ギ

 クシャクし出すと、あっという間に会社が潰れるぞ?」


「そう……なんだ」


「あぁ、だから雅人は自分の事だけを考えるんだ。」


「うん、いつもありがとう」


素直で純粋なままでいてほしい。

そう思うのだが、世間はそうはさせてくれない。


家の周りを警戒していたが、ある人物がわざわざ通りか

かったのを見かけてからというもの、警戒を強めていた。


それから記者らしい人と、もう一人。


あの八橋という派遣会社の秘書だった男を見かけた。


何もないはずはないだろう。

何かを探っている?

それとも……。


調べさせた結果、意外な事実がわかった。


 八橋 健二   27歳。

 早稲田大学出身。

 中学時にテコンドーの大会にて優勝経験有り。

 兄弟揃って優秀だったと……。

                        』


「兄弟?この資料には兄弟についてはないようですが?」


「年の離れた弟がいまして……その弟は飛び降り自殺をし

 たと」


「飛び降り自殺?……ですか」


「それが、遺書があったと当時騒がれていたんです。で

 すが結局見つからずに……」


弟の名前は颯斗。

事故の現場は高校の屋上から……。


当時そこには霧島雅人がいたという事がわかっていた。


本人は否定していたが、屋上に向かう霧島を見た人がいる

という。

その逆に、中庭で一人食事をしているのをグラウンドにい

た生徒が目撃している。


そして、落ちる瞬間もそこにいたという証言もあって、結

局証拠不十分になったとなっている。


「雅人が関わっているという事ですか?」


「いえ、そういうわけでは……。ですが、目撃者の証言が…」


言われてみれば屋上に上がっていくのを見たという証言が

怪しい。


わざとなすりつけるつもりで証言されたものだろう。

なら、誰がこんな事を?


考えられるのは兄の永人だった。


今、永人は少年院にいる。

年齢がギリギリ未成年という事で、普通の刑務所には入れ

られなかったらしい。


監視カメラを増やし、しっかり見張っておく必要があるよ

うだった。

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