24.仲良し
それからエリーナは魔力を込めて混ぜるだけの状態にした薬品の入った容器を準備してくれた。
「初めは少量の魔力を流し込むような感覚でやってみるが良い。コツを掴めばそこから流し込む魔力の量を調節するのじゃ」
「はい! やってみます!」
とは言ったものの、魔力を流し込むって感覚が分からない! それでも目を閉じ集中して魔力を流してみると
ブワッ!
と突然部屋の中に突風が吹き荒れた!
「クライドっ! 魔力を流すのをやめよっ! 」
「あれ? なんで?」
「無意識の内に放出した魔力を風魔法に変換してしまったのじゃ、まぁ魔力放出に慣れぬ者なら仕方ない事かもの……」
いや、これめっちゃ難しいんですけど……魔力だけ流すという感覚が全く掴めない。流そうとすると勝手に風魔法が発動してしまうのだ。
「なんと言うか、そもそもの魔力の流れってのがイマイチ理解出来てないんすけど……」
そう言うとエリーナはしばらく何かを考えた後
「ふむぅ……仕方無いのぅ……目を閉じてちょっと両手を前に出してみよ」
言われた通りに目を閉じ両手を前に出す。するとその手をエリーナが握ったのが分かった。
「えっ……」
柔らかく、少しヒンヤリとしたエリーナの手の感触にドキッとする
「目を開けるなっ! これからわっちの魔力をぬしの右手から流し、左手からぬしの魔力を吸収する。そうすればぬしの体の中を巡る魔力の流れを感じとれるはずじゃ」
「あっ、はいっ。お願いします」
俺が返事をすると同時に右手から暖かい物が流れ込んでくるのが分かった。そして左手からは何かが吸い取られ力が抜ける感じがわかる。
右手から流れ込んできた魔力が一度下腹部辺りに流れそこから抜き出た魔力を補うため左手へと向かう一連の流れが掴めてきた。
「どうじゃ? 魔力が流れている感じは分かるか?」
「はい、分かります」
「なら、左手の吸収を止めるで自分から魔力を流してみるが良い」
言われた通りに下腹部から左手に魔力を送り出す流れを意識してみる。
「うむ、出来ておるようじゃの。この感覚を忘れるでないぞ」
「はい、ありがとうございます! でもなんか不思議な感じですね」
そう、エリーナの魔力が流れ込み自分の魔力と混ざり合う感じが魔力を通してエリーナと繋がり一つになったような……
身体の繋がりとはまた別な、神聖な儀式のように感じられた。
目を開けてみると顔を真っ赤にしたエリーナの姿がそこにあった。
「これは普通であれば親が我が子に魔力の使い方を教える為の行為で普通は赤の他人にしたりする事は無いんじゃがの……」
「えっ? ならどうして俺に?」
「それは……そう、弟子だからじゃ。わっちの弟子でありながら魔力操作も出来ぬとあれば師のわっちの恥になるで仕方無くじゃっ!」
少し慌てたようなエリーナがとても愛おしく感じた。やましい気持ち抜きにこの人とずっと一緒に居たい、この人の為なら命すら惜しくない、そう思える程に……
そんな俺達の行為を見ていたシルフィーが俺にだけ聞こえるような小さな声で
「やっぱり二人は仲良しじゃん……」
と呟いた。
面白いと思ったら『いいね』オナシャス!




