表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕は好きな子にだけ上手く話せない。

作者: 七瀬







僕は、好きな女の子にだけ上手く話せない。

どうしても、緊張して目も合わせられないし

話す言葉も見つからない。



・・・だから、彼女を無視するような態度になってしまう。

本当は、もっと彼女の傍に居たいし話もしたいのに。

なかなか? そうする事が出来ないでいた。

彼女は、僕に何故だか? 凄く嫌われていると思っているのだろう。

他の男女の友達からも、こう言われる。



『白木! お前、なんであんなに園川に冷たいんだよ!』

『・・・ひょっとして? 白木クン、園川さんの事、嫌いなの?』

『園川さんと全然、白木クン話さないもんね!』

『・・・いやいや? ひょっとして、園川の事が好きなんじゃないの?』

『・・・えぇ!?』

『“図星じゃん!”』

『意識し過ぎて話せないだけなの?』

『それなら、俺達が協力してやるよ!』

『・・・いいよ!』

『じゃあ! 普通に園川に話せよ!』

『・・・・・・』

『きっかけを作ればいいいんじゃないの? 共通の趣味とか?』

『あぁ! それいいな!』

『園川の趣味って何?』

『・・・あぁ~あれだよ! あれ!』

『あれって? 何よ!』

『あれあれ!』

『・・・・・・』




そう言うと? 男友達のヒトシが僕にだけこっそりと耳打ちしてくれた。

言った後のヒトシは、僕の顔をニヤニヤしながらこう言った。


『これで、バッチリだな!』

『・・・・・・』



僕の肩を叩いて、皆を連れて教室に行ってしまう。

僕は、思い切って彼女の趣味に興味を持つようにした。




 *



そしてある日。

僕は、思い切って一人で猫カフェに足を運ぶ。

彼女の趣味は、“猫好き”だった事だ。

一人で、お気に入りの猫カフェに行っている情報をあの男友達の

ヒトシに聞いて、今日は勇気を振り絞って彼女が居ると信じて

会いに来たんだ。

それに、元々僕自身も猫は大好きだから気が合うのかもしれない。

そんな淡い想いを抱いて猫カフェに、、、。


お店の中に入ると? お客さんがたくさんいて猫と遊んでいた。

その中に、彼女の姿を僕が見つける。

僕は、さり気なく彼女に話しかけた。



『・・・あぁ、そ、園川! 猫カフェに一人で来てたの?』

『・・・えぇ!? あぁ、ううん。白木クンも?』

『・・・ううん。』





彼女は、まさか!? 

プライベートで、僕に話しかけられると思ってもみない顔をしていた。

そりゃそうだな! 僕は学校でも彼女に話しかけた事もないし!

それに、猫カフェに僕が来るとも思ってもいなかったはずだ!




『白木クンって? 猫が好きなの?』

『ううん! ウチにもタイドとコウドウという猫を飼ってるよ。』

『えぇ!? いいな~お家に猫がいるなんて~!』

『園川は、猫を飼ってないの?』

『妹が猫アレルギーだから、猫を飼っちゃダメって言われてて!』

『・・・そうなんだ、よかったら? 僕のウチに来れば猫に会えるよ。』

『会いたい! タイドちゃんとコウドウちゃんに会いたい!』

『タイドはね! ふてぶてしい猫でまん丸お目目が可愛いオス猫でね!

コウドウは、お腹がすくとにゃ~にゃ~なくメス猫なんだよねぇ~

どっちも可愛いんだ~! 早く園川にも会わせてやりたいよ!』

『私も会ってみたい! 次の日曜日、タイドちゃんとコウドウちゃんに

会いに行ってもいい?』

『勿論! 会いにきて!』

『うん!』





僕と彼女との距離は? 愛猫を通して仲良くなっていった。

彼女は、暇さえあれば僕の家に来て、愛猫のタイドとコウドウに

会いに来るようになる。

彼女は、僕の愛猫にメロメロになっていった。

それからは、猫カフェにも行かなくなり。

僕と彼女は、日に日に仲良くなって付き合うまでになった。

あんなに、意識して話せなかった女の子と付き合えたのも。

愛猫とあの男友達のヒトシのおかげだ!

彼女の好きなモノを教えてくれた彼には感謝しかない!

これからは、もっともっと猫を通して仲良くなって行けたらいいな

と僕は密かに想っている。




最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ