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三十五【ベッド・イン】

 出来上がったブルーライフストーンは形状を変え、ハート型の金枠にはクロウの魔力も入って先程よりも輝きを増した赤い石がはまり、羽の細かいデザインまで精巧にできている。


 そして両サイドの羽の付け根には青く輝く小さなブルーライフストーンが付いていた。


「可愛い……綺麗。

 クロウありがとう!

 どうですかお義父様!似合いますか?」


 レイチェルはブレスレットを気に入り、

 それを身につけた自分をガナフ国王に腰に手を当てポーズをとる。


「あぁ、とても良く似合っているよ。

 できる事ならサラにも見せてあげたいくらいだ。

 それにこの加工も驚きだ……礼を言うぞクロウ」


「……」


「クロウ?」


 クロウの様子がおかしい。

 気付いたガイアが声をかけて近寄るが、クロウから全く反応がない。

 目を見開いたまま固まっているクロウの背中をガイアは思い切り叩いた。


「のぉわ!……何だよ?さっさと中に戻ろうぜ……」


 何が起きたのか。

 どうしたのかクロウに問いただしても「何が?」の一点張り。


 すると、ガナフ国王は疲れているなら今日は城で休めと言ってくれた。


「いや、ありがたいけど帰るわ。

 リルルとミルルが待ってるし、知っての通り俺は記憶がねぇんだ。

 家族って教えられたあいつ等の事も何も覚えてねぇ。

 タスリーフの事も色々と知りたいけど、まずは一番近い存在から知っていかないとな……」


 突然クロウファミリーの話しを出したクロウ。

 どう見ても何かがあったようにしか見えない。


 ガイアはここでは話しができないのではないかと思い、詮索するのをやめた。


「それじゃあレイチェル借りるからな。

 明日はパーティーなんだろ?遅くなっても今日中には戻るからよ」


 クロウはガナフ国王の許可をもらいレイチェルと転移しようとするが、血を飲ませなければならないことを忘れていた。


 さて、どうするか。

 国王と同じように上から垂らすか?


 どう血を飲ますか考えていると、悩んでいるクロウの姿を見てレイチェルは突然一度着替えたいので自室に戻りたいと言い出した。


 クロウは了承し、一緒にレイチェルの部屋に向かうことに。


 すると、ガイアは何かを察したようでクロウ達に着いて行かずに魔法陣を展開させた。


「はぁ……。

 おい、俺は先に行っているぞ?

 ()が済んだらすぐに来い。

 国王も多忙の中ですまなかったな」


「いえ!貴方様がこちらに来られただけで光栄な事です!

 それではお気をつけて!」


 ガイアはアジトへ転移魔法で向かい、レイチェルもガナフ国王に「行ってきます」と言ってクロウと自室に向かった。


 向かっている道中は兵士の護衛が付き添っているからか、レイチェルは口を開かない。


 どうしたんだ?っつーか何で着替えるんだろ?


 レイチェルの自室に着き、着替えるなら外で待っているとクロウが言うと、中には衣装部屋があるようなので部屋に入って待つことに。


 するとレイチェルは着替えようとせずにクロウの目の前で何やらモジモジしている。


「あ?何やってんだよ?早く着替えてきな」


「え?いや……あの、着替えたいって言ったのは、その、二人だけになる口実で……」


 二人だけ?口実?どういう……はぅわ!もしかして……。


 クロウは何かを察すると途端にクールな表情でレイチェルの肩を抱きベッドへ連れて行った。


「ク、クロウ?何でベッドの方に?横になる方が良いの?」


「俺を信じて身を任せろ……」


 んん?……あっ!そう言えばリルル達は転移してすぐ気絶したって言ってたから横になったまま転移した方が安全ってこと?


 レイチェルは言われるままベッドに連れてかれ横になると、


[バサッ]


 クロウはなぜかおもむろに上着を脱ぎ、ベッドへ上がってきた。


 は?え?何で?何で服脱いでるの?


 するとレイチェルの隣りで横になったクロウは体を抱き寄せては顔を近づけてきた。


「えっ……そんないきなり?

 あれ?血は!?口に含んだっけ!?


 顔を近づけてきたクロウは、口ではなく首筋にキスをし始めた。


 っん……え!?え!?


 そのまま自然な流れで抱き寄せた手を撫で下ろし、ワンピースのスカート中に手を入れようとする。


 ……これってもしかして!


「コ、コラ!クロウ!何してるの!?

 血は!?おかしいでしょ!!」


 レイチェルはクロウから離れ起き上がり、胸を両手でガードするように押さえクロウの手を止めた。


「血?何を……ハッ!」


 ようやくクロウは自室にまで来たレイチェル意図が分かったようだが、まるでそれを始めから分かっていたかのように立ち上がり、服を着始めた。


「コホンッ……レイチェル、俺とお前は前に会っているんだろ?

 俺の性格上こういう悪ふざけを過去にもしてると思ったからツッコミを待ってたんだよんっ!」


「は?よん?いや、絶対に嘘!絶対に勘違いしてたでしょ!?」


 レイチェルは顔を真っ赤にしてふざけたクロウを問い詰める。

 赤面しながら怒るレイチェルはとても可愛く、クロウも少し申し訳なかったと反省した。


「もう!クロウのバカ!」


 悪かったと何度も謝っていると、腕を組みながらそっぽを向いて頬を膨らますレイチェル。


 ふくれっ面しやがって(笑)

 可愛いお姫様だなぁ。


 謝りながらクロウは自分の指を噛み切り、指から出る血をレイチェルに舐めさせようと前に出す。


「ほら、レイチェル。転移するぞ」


 血が流れる指を横目で見るレイチェル。


「……リルルの気持ちが分かるわ。確かにムカつくわね」


 はぁ……はいはい。分かりましたよっと。


 クロウは指から出る血を口に含み、レイチェルを強引に抱き寄せた。


「だからそんないきなり!っん……」


[ゴクンッ]


 レイチェルが恥じる隙を与えず抱き寄せキスをした。

 口の中へ血が流れ込むと、レイチェルは驚きながらも目を瞑りそれを飲み込む。


 レイチェルの中の生命力核にクロウの魔力が浸透すると同時に魔法陣が展開し、二人はアジトへ転移した。

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