表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/183

二 【人外種】

 エリザはクロウファミリーに入る事となった。


 行き場がなくなり深刻な状況となったエリザにとっては、仕方なくでも了承せざるを得ない。


 と、

 周りは思っていたが、事が決まると恵華の肩に腕を回し始め笑いだした。


「あぁ〜あ!またあんたと一緒になるとはね〜(笑)」


「……そうですね」


 エリザの明るい表情を見るにそうでもないようだ。

 クロウの承諾は得てはいないが、エリザは仮にもファミリーに加わった。


 そしてドクにクロウが起きたら全員三階に居ると言伝を頼み医療室を後にした。


 三階のリビングで全員ソファーに腰掛けると、マーシャルがコーヒーを入れると再度立ち上がった。


「エリザはコーヒーと紅茶どっち派?」


「え?え〜と……ハチミツティーお願い」


「だから……真似しないで下さいよ!」


 恵華だけはいつも紅茶のようだったが、エリザも同じ物に。


 ボスの屋敷に居た頃からエリザはなぜか恵華の真似をするそうで、おちょくられていると感じていた恵華はいつも怒りいがみ合いを始めていた。


 久々に会っても相も変わらず。


「あの、そろそろ話しを……」


 エドガーが割って口を出して止めようとしたが、二人でエドガーの方へ振り向き、


「うるさい!!」


「……」


 恵華とエリザのユニゾンうるさい。


 すると、クリスがクロウ不在で話しを始めてしまうのかと聞くと、まずエリザにクロウの体と現状を話そうとしていた。


 話しができずにいると、恵華が突然エリザからそっぽを向きだし、クロウの現状をしっかり聞いておけといがみ合いを止め、エリザも話しを聞く姿勢に入った。


「それじゃあ、まずクロウは何なのかって質問だったな?」


「そうだよ!薬打ってた話しは聞いてたけど、前から不思議だった。

 見た目がいきなり変わったり……そもそも魔力って何!?

 こっちからしたら何の話しをしてるのかさっぱりなんだよ」


 当然の疑問をエリザは投げた。

 恵華とボスの元で働いていた時も姿の変わったクロウや力を見ていたので気になってはいた。

 しかしながら、当時ボス以外の幹部はクロウの事はほとんど把握できておらず、ボスに直接聞いても口を開いてはくれなかったようだ。


「今は幹部の人間はほぼ知っていることだ。

 散々暴れてきたことでボスも隠せなくなったのもあるだろうが、クロウがなぜ組織にいるか理由がある」


「なに?」


「まず率直に言う。

 クロウは……"人外種"だ」


 昨日姿が変貌したクロウが言っていた"人外種"と言う言葉が出てきた。


 エリザは人外種と言うものをよく理解していないため、昨日の今日聞いてもさっぱりの様子。


「まぁ、正しくは人間と人外の間。

 人外種の"末裔"だ」


 クロウは人外種の末裔だとエドガー言う。

 エリザだけじゃなく、誰もが普通の人間世界だと思っている中で、人外種という不明な者がこの世に居ると聞いても訳が分からない。


「????」


 エリザの頭の上にクエスチョンマークが並ぶ。


 エリザの様子を見てエドガーは話しずらくなり、


「ん〜……やっぱクロウが起きてからにするか?

 あいつが居る方が分かりやすいこともあるしな」



「……いや、とりあえず続けてみて」


 エリザは信じ難い話しだが、とりあえず一通り聞くことにした。


「クロウが人外種の血が流れているということは元々ボスに知られていて、クロウがこのせ……この国に来た時に十人程の実験体候補に選ばれていた」


「??」


「その後にクロウは捕まり、薬品投与での選別を受けてクロウは生き残り選ばれた。

 そして人外種としての"力"を使えるように薬の投与と訓練をされつつ、ボスの元で少しずつ働き出したんだ」


「え!?じ、じゃあ!あの見た目の変化がその……人外種なの?」


 エリザは話しに全くついていけていないが、何とか理解しようと質問をする。


「いや、あれに関しては俺達もまだはっきりとはよく分かっていない。

 ふざけた()だが、ぶっ飛んだ力を持っている……」


「分からないって……誤魔化してるんじゃないの!?」


 白髪となり、他の誰かとなったクロウのことは、エドガー達もよく分かっていないようだった。


 すると恵華がふてくされた顔で口を開きだした。


「あいつは……クロ様の祖先ですよ」


 またエリザの困るような事を言い出した。

 しかし、エドガーはそれについて恵華の考え過ぎだとはぐらかす。


 祖先と言っても未だ確証もなく、クロウの人格を乗っ取る意味も分からない。


 なのでエドガーはエリザにあの変貌したクロウは不明要素が多いことから、ひとまず置いておけと話しを終わらせた。


 そんなクロウがなぜ組織で雇われ続けているのか。


 それにはエドガーが知るところ、大きく二つある。


 一つは人外種の血が流れている自分を受け入れた。

 そしてその力を生かす場が組織に居れば訪れるという事。


 もう一つは、事故で自分はもう死んでいるとされ、元の生活に戻れない。


 その話題で恵華は俯き出してしまった。

 組織の大半は一般社会に戻れない者も多い。

 恵華もその一人だからだ。


 後はクロウ自身やらなければいけないことを自ら見つけ出し、自分なりにボスの命令に従いつつも背いたりと好きに動いている。


「今のクロウは記憶が欠落しているが、一昨日までのクロウは……」



 "今は俺殺さなきゃいけねぇ奴等が多い。

 それにお前等が居るから元の生活に戻りてぇとは前程思わねぇよ。

 他の人外種の奴等ともっと会いてぇし、できるなら力になりたい"



 クロウが過去に言っていたことをエドガーは全員に伝えた。


「もっと?他にもこの世界に人外種っているってこと?」


「あぁ、その内俺達と居れば会うこともあるだろうな」


 聞けば聞く程に話しが大きくなり、エリザは困惑する。


 しかし、クロウファミリーに入ったこの時からはそれを受け入れるしかない、恵華も今までそれを分かってクロウと共にしてきたんだと話しを飲み込んだ。


「とりあえず……分かった。

 それじゃあ、色んな人外種いるって言うけどさ、クロウは一体何なの?どんな人外の末裔なの?」


「……悪魔だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ