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十七【ルイス】

 勢いで車に乗り込んだが、そこで疑問が出てきた。

 この屋敷にはクロウについてきている部下が何人も居ると言っていたのに、なぜ幹部だけで動くのか。

 エドガーに聞くと、それは屋敷の守りも必要だとのこと。


 地下にはドク専用施設や武器庫もあるため、なくなると困る物ばかり。

 何処からか屋敷の情報を知り、クロウファミリーを潰そうとしてくる人間が居ないとも限らない。

 戦力的にも幹部だけでも問題はなく、逆に大人数で押し掛けて人質が増えても困るとのこと。

 一応理由はあったんだなとクロウは納得。


 そんな話しをしている中で、運転しているエドガー以外は自分の武装の確認をしていた。

 クロウは一応銃を持たされているが、何もすることがなく周りを見渡していると、クリスから予備の弾薬を手渡された。


「ほら、いつものマグナム」


 ……デッケェ弾。


 クロウは今までに、クリスからいつも様々な弾をもらっていたようだ。

 クリスは沢山の弾薬の種類を持っていて、暇な時は錆弾がないか確認をしている。

 いつも弾薬はクリスから貰っていたようだ。


 ケビンとマーシャルも持っている銃の確認をしているのに対し、恵華は腕や足に見えない"何か"を装着している。

 聞くとまた「お楽しみです♡」の一点張り。


 もし本当にアンナが危うい状況で、本当に揉める事となり、殺し合いになったらどうなるんだろうとクロウは不安になる。


 色々と考えているとヘリポートに着き、すぐに全員乗り込んだ。

 恵華以外は銃やナイフを体のあちこちに入れて早くも戦闘態勢になっている。


 すると、エドガーはクロウに片耳に入れるイヤホン型無線機を渡した。

 イヤホンにボタンがあり、そこを押しながら話すことと、小声で話す時はイヤホンから出ている棒を引っ張り出して話せと教えられた。


 これは全員装着しているのだが、恵華だけはしていない。

  恵華は機械や金属の類いは邪魔になるとか。


 クロウは頭を傾げて恵華にそれについて聞こうとすると、エドガーが話し始めた。


「道中ずっと考えていたが今回の拉致はボス公認かもな……」


 エドガーの考えでは、ある部下がアンナをボスや直属の部下にバレないように隔離している事にボスは気づきながらも、クロウの動きを見るため、記憶喪失は虚言ではないかを確かめるためかもしれないとエドガーは推測する。


 部下が勝手にやっていることを出汁に充分有り得る事だとエドガー以外も思っているようだ。

 飽くまでエドガーの推測の話だがそうなると少しは楽だと思われた。


 ボスが分かっているということは、何か起こすつもりではあるが楽観的でもある。

 揉める事が分かっている訳なので、ボス自身自ら屋敷に防衛網を張る事はないとなる。


 そうなるとターゲットは絞られ、アンナを拉致った人間とその周りだけ。

 そして、そんな事を企てる人間は決まっているとエドガーは言う。

 クロウが誰だとエドガーに聞くと、ため息混じりに答えた。


「ボスの所でお前をタコった奴だよ」


「!!」


 クロウは相手の顔を思い出し、「あの野郎か!」とブチ切れ。

 完全に自分へ向けた嫌がらせと、仲間で釣った行為にクロウは激高した。

 エドガーに落ち着けと煙草を咥えさせられ、火をつけてもらい深く煙を吸い込んだ。


 少し落ち着きを見せると、エドガーはその部下の話しを始めた。


 その部下の名前はルイス。


 元々はカラーギャングに属し、マフィア経営のクラブで勝手に麻薬の売人をやっている所を捕らえられ、殺されるか働くかの選択ののちにマフィアの仲間入りをしたようだ。


 他の組織の島でも麻薬を売ったり、所構わず銃で人を撃ったりと、その世界ではどうしようもない奴と有名だったらしい。

 しかし、その何も考えなしに行動する性格をボスが気に入り、最終的にボスの護衛まで上り詰めたとか。


 当時はエドガーもボスの直属で、ルイスの加入を止めていたがボスはなぜか許した。


「そんなボスのお気に入りを俺等がどうこう出来るのか?」


「お前は関係なく半殺しにまくってたぞ?(笑)

 それに……ルイスがお前を憎んでやるこの行為も初めての事じゃないからな。

 だからアンナがあいつに囚われてる可能性が高い」


「そう言えばちょっかい出して来るって話ししてたな」


 ルイスが今まで自分にしてきた事は本人に聞いて、その後更に追い詰めてやろうとクロウはあえてエドガーに過去の詳細を聞かなかった。


 周りを見ると銃を持ち、全員躊躇いもなくボスの元へ行く姿に、クロウは本当に家族のような絆があるんだなと思い、アンナ救出のことだけを考える事にした。


 記憶は全く戻らないが、自分の為にボスの所へ向かった顔も思い出せないアンナと言う女性を拉致した者を殺してやりたい気持ちが沸き上がってしょうがない。


 記憶がなくなる前の俺なら、屋敷に着いてからどうするんだろ……あっ!そういえば!


「そういやエドガー、ボスの所へ行く途中にアンナから連絡はなかったのか?」


 クロウはドクから聞いた疑問をエドガーに問いかけた。

 するとエドガーは俯きながら答えた。

 アンナからの連絡が来ていたが、時刻を確認すると、丁度ヘリに乗っている時であったようだ。

 確かにヘリの中では音と振動で気づくのは難しい。


 しかし、それに気付いていればアンナは何もなかったんじゃないかと黙り込むクロウだった。

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