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七十六 【クロウの光】

 

「リルル、ミルル。あの小娘は身なりからするとこの辺りの者であろう?何者だ?」


「申し訳ありませんガイア様。郊外地を含め、中央区の人種は大体把握できていますが、私達でもあの子は見た事がありません」


「にゅ〜……でもあの子()()()()がしたし、特殊能力を使う女の子が居たら知っているはずだにゅ」


 レイチェルと違ってリルルとミルルは警備の関係で町外れにも出向くことが良くあるが、その二人ですら少女が何者か不明だった。

 少女は罪人として国王の命令により、能力から危険人物として城の地下牢に幽閉されたのだが、クロウ達と同様に未だ目覚めること無く何も聞き出せないままでいた。


 すると、ジハードがクロウの頬をペロッとひと舐めし、安心したように微笑んだ。


「もう安心しても良いですね。ともあれ全員無事でなによりです。クロウに関しては生命力核に魔力核、双方無傷で良かったですね」


 ジハードは体の一部を舐めることにより体の容態が明確に診断することができる。

 恵華の時のようにクロウの頬を舐めて生命力と魔力の状態を診ると、核に問題は無く順調に回復しているようだ。

 ガイアが魔力を分け与えたことで、何事もなかったかのように生命力はすぐに全回復し、魔力量も戻りつつある。


「だが、このままでは必ずまた死にかける。此奴にはやって貰わねばならん事が山のようにあるのだ。黒龍達よ、すまぬが此奴が起きたらさっそく――」


「ちょっと待て!祭りはもう終わりなのか?」


「!?」


 突然クロウは目覚め、体を起こして普通に立ち上がった。

 ガイアが融合を解いてからまだ二時間程しか経っていないのにも関わらずに、起きるや否やすぐに窓側へ行ってしばらくぶりの煙草を吸い始めた。


「かぁ〜!うっめぇ!!

 っつーか、色々やってると自分がヤニ中ってのを忘れちまうわ!その気になったら俺禁煙できるんじゃねぇかな?」


「そんな事どうでも良いわ!貴様、魔力切れ寸前で動く事すら困難であったのに体は何ともないのか?」


 いくら核に問題は無く生命力が回復したからと言っても、一時的に大きく減少した反動で身体の疲労は凄まじいものだとガイアは言う。


「あ?何ともねぇよ?アジトでカプセルから出た時と同じだ。めっちゃ元気!今だったらもう魔力全回復したんじゃね?っつーことでジハード、もう一回」


 クロウはジハードに向かって頬を突き出した。


「……何ですか?」


 貧民街で気を失ったクロウとは天地の差がある程体調が良いようだ。

 しかも、先程にジハードがクロウの容態を確かめる為に頬を舐めたことまで分かっていたらしく、


「ペロンとやったろ?ペロンって!もう一回やって!魔力が回復したかもう一回やって!」


「いえ、それくらいのことなら必要ないですから。

 貴方の核の状態を詳しく知る為にやった事なので……?」


 魔力残量や生命力なら離れていてもそれなりに分かると言うジハードが、何か気になったようでクロウに近寄ると、クロウの胸元に手を当てだした。


「魔王様、これは……」


「そうだ。ここに来る前に死にかけた時と同様、目を覚ますと魔力量を取り戻し、尚且つ魔力核が膨張しているのだ」


 クロウの魔力は、以前とは比べられない大きさとなり、ジハードが思わず驚く程だった。

 タスリーフに来る前もそうだったが、過去にも魔力の回復がない訳ではなかった。

 しかし、増大の規模が段々と桁違いとなっていっているらしい。


 クロウが記憶が欠落する前にも度々同じような事はあったが、魔法を使うことで魔力が身体に浸透していき、魔力核が強く大きくなっている現象だと思い込んでいた。

 今のクロウは転移魔法を始めとし、大したことのない魔法を大放出で繰り返し自滅していた。

 しかし、それによってクロウの魔力核はその放出量に合わせて増大しているとガイアは予測する。


「戦い方を忘れた阿呆を助けるかのように魔力核が合わせにきている。生命力核では考えられん事だが、そうとしか思えん」


「ふーん……それって良い事なんじゃねぇの?なんかマズい事でもあんのか?」


 ジハード達には何も分からないことだが、ガイアの中では疑問が残っていた。

 それは前回と同様、クロウの生命力が著しく弱っていた事。

 実際に疲れていたのは事実だが、魔力が減少したとしても、比例するように生命力が減少することはない。

 仮に生命力を消耗する特殊能力と魔法を同時に使っていても、魔力と生命力が同じ消費量のはずはないとのこと。


「貴様、この一件で変わった事、もしくは前回に倒れる前と同様に起こったことなどは無かったのか?」


「前と同じこと?んー……あ!そういや魔法使った後に――」


 クロウはアジトで倒れる前に何処から現れたか分からない不明の謎の光を見た事と、今回ボロ屋の前で魔法を使った後に見た光が同じだったことを伝えた。


「光?何なのでしょう?魔王様は魔法を使った後にそのような光を見たことはあるのですか?」


「無い。だが、二度も同じ現象が起こったのなら何か関係があるのかもしれぬが……」


 魔力を消費すると光が頭上から消えていく?まさか生命力核や魂に関わるものではないだろうな。


 クロウの魔力が予兆もなく突然減少する事と何か関係性があるのかと嫌な予感がしてならないガイアだった。


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