戦乙女の婚活 共通①
「最悪だ」
「まあまあ」
皇帝が代わったことにより、たったの一週間で星民は腑抜けた。
――惑星マージルクスでは他の星のような福祉や年金制度はない。かわりに税金というものがない。
男も女も子も全ての民が戦で金を得るという星柄だった。
今まではそうだったのだが戦をしなくていい日。
おもに恋人や家族と仲良く出掛ける。という腑抜けた休みができてしまった。
力こそすべての星において皇帝になるには武なる大臣10人を倒す必要がある。
つまりこの星では皇帝となったマシゴットが一番強いのだ。
昨日その事実を知り、朝から憂鬱な気分で、幼馴染の二人を交え三人で話し合いをしている。
「太く短くがマージルクス人だと言うのに!!」
「おちつけよ」
同じ郷のヴァンダイクとルエイは敵対するマキュスの生まれだがそれぞれ幼馴染という間柄だ。
「まあ、法律に賛成するわけではないけど戦いに使い捨てみたいなところがあったし」
税金はとられないが、地産地消で装備やら兵やら馬の調達は国家がやるので金がとられる。
「ああ、いくら軍神の加護があってもバカみたいに戦い続けんのも意味ないって思ってたからな」
「なら戦い禁止の休み、貴様らは何をする」
「そりゃ彼女を探すだろ」
「うん、やっぱ外の星の奴等みたいに幸せな家庭ってやつには憧れるなあ」
「なるほど」
では火の軍神にあやかり、美の星からでも男を強奪しよう。