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ハイアンドローの賭事 共通①


大気に魔力が満ちるこの世界は花型パレットの形をした七つの国である。

それぞれの国に長となる大魔導一族があり、私は中心の国ジュプスに住む、高位(ハイ)魔法使いだ。


「ハイウィザードは神託の間へ集まれ、神王様からのお言葉があるそうだ」


タブレッティオを確認すると、今朝のもので集合の刻限まであと五分。

あわてるな公共の転送装置を探さなくとも魔法でなんとかなる。


といいたいところだが、私は攻撃と回復は得意だが飛行タイプは得意ではない。


ハイウィザードになるには蘇生ができれば構わないのだ。


私の他はすでに神王の間へ集まっっている。兄のプロトフラストがこちらに気がついた。


「よく集まってくれた」


神王が本来の姿を私達に見せる事はない。しかし神王には魔力を封じる力がある。

だから本人か、偽物かなど無駄な質問だ。魔力を封じられれば魔法使いなど一般人と大差ない。

という事もあり、ハイロダルタンダのように物理を鍛える一族もいる。


私はウィラネス大公の姪で、所謂箱入りなので魔法しか鍛えなかった。

土地神様の影響で、汗をかくこと重労働はしない。プライドの高い民になったのだ。


「お話とは?」


兄のプロトフラストが神王へ問う。


「未婚のハイウィザード諸君、君達は一ヶ月以内にローと婚姻しなければハイの権利を剥奪する」

「え?」



「そんなあ……」


ローというのは生まれつき魔力を取り込めず扱わない一族だ。

彼等は体が柔らかな人間ではなく鉱物のような化け物に近いと聞く。


「せめてイケメンであれ!」


――私は神王補佐のイステル様一筋なのに!!


「どうしたイミューズ=イエローケイク」

「イステル様!?」


落ち込む私を心配そうに眺めている。


「あの、私は同じハイに好きな方がいるんです。なのにローと結婚しなければハイの座を剥奪だなんて言われて」

「ほう」


「ところでイステル様は未婚なんですか」

「まあな」

「ローと結婚しなくてよろしいんですか?」

「親でもない相手にしろと言われても畑違いすぎて反発するものだろう?」

「たしかに神様は人間の群れに命令をされます。個人を見て命令することは礼がありません」


ローとの婚姻を定められ困っているのは私だけではないのだ。


「それに、神王様は相手を決めたわけではない。ローの中から選ばせただけのようだ」

「まあ、顔や家で選べますね」


「それとハイの座を剥奪するだけで魔力を剥奪とは言われていない」

「たしかに……」


だが、我々ウィラネスの民はハイという肩書きを重んじる。

それがなくなれば兄も私も自国での醜聞は免れない。


「だけどローと結婚しても醜聞は免れないし……」

「ローと結婚するか、何もしないか、選択肢は二つだ。どちらか決めればいい」


「あ、そうだわ、神王様に直談判してみます」


ウィラネスの民らしからぬ醜い行動だが、きっとそれしかない。

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