3/9
グラヴィティア 共通②
「これはこれはラウル君」
人が減ると、シューヴェはラウルに話しかける。
「なんだ?」
彼は苛立ちながら、前髪をくしゃりとかきあげる。
「相変わらず女性を惑わせているようだね」
シューヴェは笑顔だが、彼が嫌いなのかトゲのある言葉をしている。
「はあ?」
ラウルくんは心外と言わんばかりに眉を潜めた。
「はいはいストップ!」
ピンク髪のツインテール女子が火花を散らす二人の間にはいった。
「ラヴィーナ、いっておくがオレはなにもしていない」
「彼が何かしたのかしら、シューヴェ=キノエビアン」
彼は腕を組みながら強くにらまれている。
「いいえ、なんでもありませんよラヴィーナ=ベテリュース嬢」
すると争いはすぐに収まり、二人は去っていった。
「どうしたの?」
「……彼はラウル・クラール=バロビニアン・ハイロダルタンダ・ビルブロン・シュヴェアンヴァニウム・ノープル。次期魔導一族長老です」
「へー」
「要するに気に入りません」
潔く嫌いだと断言した。




