予鐘
家の外の降雨はいまだに降りやむことを知らずに大地を濡らしていいる。ピチャッピチャッと音を響かせながら、いつ終わりが来るかわからないものは時として苦痛より近いなにかを感じさせる。
一人の少女は今日も、いや数時間ぶりの起床を覚え、机の魔方陣を眺めるのであった。
悪天の魔女「人類は後“何日“もつのかしら ?」
ラバーチェ「ちなみ、どうして今ごろ人間なんか滅ぼそうと思ったんだ? あの種族ならほっといても自滅するのがオチだろ」
人間という生物については、多くの事がわかっている。特に重視するのは人間育てられる環境によって大方の人格が決められてしまうことだ。極端に言えば獣に育てられれば獣になり得ることだ。そんな難しい話じゃない。虎だって優しい人とに育てられたなら凶刃な牙は無意味となる。ラバーチェが学んで覚えているのはその程度だった、とはいえ、すでに30年近く前の記憶であるために、今思うと(あれ?こんなんだっけ?)あやふやなところの方が多い。
ラバーチェ「てな感じだったなぁー、あぁーあの頃が懐かしいなぁ」
ラバーチェ自体は年を感じるのには無縁な体ではあるがそれなりの知能は学び受けているようだ。
悪天の魔女「あなた学校なんかにいってたの?ていうか貴方たちのような人が行ける学校とかあるの?意外ねー、本当意外ねー驚きだわー」
ラバーチェ「主人に伺候する身である私がこの様な事を言って良い筈がないのですが、、、、殴っていいですか?」
悪天の魔女「殴ってもいいけど殴り返すよ?」
その言葉をいった途端にラバーチェの周りに黒いような、紫のような霧状のものがたち混み始める。その禍々しい霧はラバーチェの身体にまとわりつき体の自由を妨げる。それだけならまだしも、霧が触れている箇所が白く濁っていく。彼女の黒色で艶のある肌と鋭利な針が白くなり
腐り落ちた
それはまるで、卵から出てくる卵黄のように。っひ! あまりの出来事に彼女は小さく悲鳴をあげてしまう。ラバーチェ「あっ主様!ち、違うです。あれは本気では無いんです!今のほんのなんというか、たっお戯れのようなものでして、本気では無いんです!なので、なので!お辞めください!お願いします!お願い、します、、殺さないでっ、、、」
悪天の魔女「、、、、なーに泣いてんのよ。よく見てみなさいよ、貴方盛大な勘違いしてるわよ。」
ラバーチェ「へ?勘違、い?」
悪天の魔女「いいから体を見てみなさい、もうこっちがびっくりしたわ」
ラバーチェは今一度自分の体を確認してみる。がどう見ても、見たくない己体の内側見えるだけだ。自分の黒い肌が腐り崩れ落ちる光景しかそこにはそんざいしなかった。
ブクっ!
うん?なっなに?!
ブク!ブクブク、、、、くぽ
傷が、元にもどった?!
ラバーチェ「、、、、」
悪天の魔女「どう?スッキリしたでしょ?」
ラバーチェ「主様、、これは一体どいう」
悪天の魔女「貴方、この前に私がお願いして公園に固まっていた兵士たちを殺しにいったじゃない?その時に体に鉛玉を打ち込まれたでしょ、いつまでも体にあってもいいような品じゃないから今治療したのよ、おバカさん」
ラバーチェ「あ、主、、」
悪天の魔女「もーう、何々私があなたを殺す?殺すわけないじゃない、だって数少ない私の大切なおと、きゃっ!」
勢いよくラバーチェが魔女の懐に飛び込んできた、腰に手をまわし力強く抱き締めている。
ラバーチェ「主様ぁぁぁ!!私立派な主の家来になってみせばずぅぅぅ!うあぁぁぁ!!」
悪天の魔女「ちょっとやめてよ~いきなりびっくりするじゃない!それにハグするときは“ハグします!“て言うこと、あなたいろいろ痛いのよ、それに服に穴が開いちゃう」
ラバーチェ「すみません、次から気を配ります」
ラバーチェはすっかり泣き止み、魔女の膝上で健気な笑顔をみせた。魔女もそれに応えるように優しい笑顔をみせた。
悪天の魔女「ねぇ、ラバーチェ?こうしておくのもいいけど私から依頼を頼まれてくれない?」
ラバーチェ「もちろんです。ご用件は如何な事でしょう?」
悪天の魔女「多くの学校にたくさんの学生達が今いるの、彼らに恐怖をプレゼントしてきてあげて。手段は問わなわ、貴方なりでいいわ」
ラバーチェ「了解致しました!」
そう言うとラバーチェは魔方陣を展開させ、消えていった。
さぁ、今日が学生達の素敵な日になりますように