雨の知らせ2
「速く!急いで下さい!」
ガヤガヤ、ザワザワ
辺りが見渡せる広い広場に大勢の人々が集まっていた。
いつもなら子供や婦人達でにぎやかなこの広場だが今は、違う。
ザーザー
今日は1日中大雨だ。にもかかわらずまだ人々は集まってくる。
そして時刻は午前2時を回ったところだ。更に人々を誘導している人全員が腰から軽機関銃を備えている。
自衛隊だ。
広場には数十人の自衛隊が五人班を作り人々を誘導していた。
「こちら、二木、日柄木町公民館前広場に到着しました。輸送用トラックはまだですか」
「こちら平木です。後三十分内にそちらにつきます」
「了解した。ところでだがそっちはどうだ」
「居間のところ異常はないです。しかし、何事なんですか?本当にバイオテロが起きたんですか?」
「さぁな、でもそう取るのがあっているかもな、俺達がここへ到着する前、他の部隊が派手にぶっぱなしていたからな“肉黙り“に」
肉黙り、それはいま敵と認識しているものに当てられた名のことだ。
と言うよりそういうしかなかった、そのモンスターは赤い肉の塊で目や口と言うものは見られず、主に音で判断しているようだ。
自らの大きな巨体で人々押し潰しているところを地元の警察官に報告されていた。
「他に敵の種類とかはいるんですか」
「いや、今のところ確認されているのはそいつだけだ」
「そうですか、あっもうつきますよ、準備お願いします」
「了解」
しかし、三百人近い人数を一代のトラックで往復して安全区域に送るとは、確かに現状をつかめていないとはいえ、国民の安全を守る私達がこんなことでいいのか?
そんな事考えていると先ほど通信していたトラックが来た。
いまはこっちの処理の事だけ考えた方がいいな
そして二木は元の定位置にもどっていった。
ザーザーザーザー
「はぁ、全く、今日は忙しいわ。」
そういうと彼女は湯気立つ紅茶を手にとった。
「自衛隊だったからしら?こっちにも面白い兵士がいるのね。さてと一体どのくらいもってくれるのかしら?」
彼女は、湯気立つ紅茶をただただ眺めながら無邪気な笑顔で笑っていた。